キャブスが4年連続のカンファレンスセミファイナル進出へ
これでレブロン・ジェイムスは13年連続での第1ラウンド突破だ。
クリーブランド・キャバリアーズが現地29日、本拠地クイックン・ローンズ・アリーナで行なわれたインディアナ・ペイサーズとのシリーズ第7戦に105-101で勝利。イースト準決勝進出を決めた。
第7戦でのキャブスは、レブロン・ジェームズが43分の出場で45得点、9リバウンド、7アシストで大暴れ。ESPNによると、レブロンの45得点は、プレイオフ第7戦における勝利チーム選手の得点として歴代2位だという(1位は1963年のサム・ジョーンズで45得点)。
レブロンは前半だけで16本中11本のFG成功から26得点をあげてキャブス優勢の流れを作ると、第3Q残り1分に足の痙攣で交代するまで1度もベンチに下がらなかった。
キャブスはレブロンの他にも、今シーズンを通して影の薄かったトリスタン・トンプソンが約1カ月ぶりに先発出場し、35分で15得点/10リバウンドを獲得。序盤からスクリーンやリバウンド、ディフェンスでアグレッシブなプレイを見せ、勝利に大貢献している。
またケビン・ラブは、32分の出場でFG13本中5本成功の14得点と、決して絶好調というわけではなかったが、レブロンがロッカールームに戻った際に、ジョージ・ヒルとのコンビプレイでチームを牽引。キャブスはレブロン不在の第3Q終盤から第4Q中盤の5分間でペイサーズを11-5でアウトスコアしており、これが大きな勝因の一つとなった。
レブロンは今季ポストシーズンで34.4得点、10.1リバウンド、7.7アシストを平均中。1試合の平均出場時間は40分を超えている。
第1ラウンド7試合でのキャブスは、レブロン以外に1試合で20得点以上をあげた選手が一人もいない(チームの得点2位はラブで、平均11.4得点)。ラブが手を怪我してから本調子でないこともあり、まるで第1次レブロンキャブスのようなワンマンチームとなっている。レブロンの負担があまりにも大きく、今年こそ途中で体にガタがくるのではと少し心配だ。
なおこの日のレブロンは、ポストシーズンキャリア通算のスティール数で399本に到達。スコッティ・ピッペンの記録(395スティール)を抜き、プレイオフ歴代1位に浮上した。
イースト王者相手に大善戦したペイサーズは、ビクター・オラディポが30得点/12リバウンド、ダレン・コリソンが23得点で奮闘。シリーズでの4敗は、いずれも4点差以内の僅差での黒星で、7試合の合計得失点差では+40点でキャブスをアウトスコアした。ペイサーズがレブロンのチームに敗退するのは、2011年以降で5回目となる。
キャブスはカンファレンスセミファイナルで1位シードのトロント・ラプターズと対戦。キャブスとラプターズがプレイオフで衝突するのはこれで3年連続だ。
これまでレブロンに散々苦汁をなめさせられてきたラプターズだが、今季レギュラーシーズンでの総合的なパフォーマンスはキャブスを完全に上回っている。リベンジを果たすなら、これ以上のチャンスはない。
ただキャブスのチーム力が以前よりも衰えているとはいえ、ラプターズにとってはまだまだ最大の天敵あることに変わりなく、レギュラーシーズンの直接対決は1勝2敗で負け越し。今季はオフェンスでウォリアーズとロケッツに次ぐリーグ3位の数字を記録したラプターズだが、終盤で接戦になると失速してしまう傾向にある。
NBA.comのデータによると、今季ラプターズはクラッチタイム(5点差以内で迎えた試合ラスト5分間のスタッツ)に得点効率がリーグ17位に転落しており、その時間帯における100ポゼッション当たりの得失点差ではマイナス3.4を記録(イーストプレイオフチームの中でワースト2位)。一方のキャブスは、終盤の接戦にめっぽう強いチームだ。
ラプターズにとって最大の課題は、これまでの対戦と同じく、「誰がレブロンをマークするか」の一点。そもそもレブロンを止められる選手などは存在しないが、アヌノビーもしくはシアカムがベストオプションになるだろう。
また今季ラプターズは、スリーガードのクロージングラインアップ(ラウリー、バンブリート、デローザン)で成功を収めたが、ミスマッチを攻めるのが誰よりも上手いレブロンに対してこのラインアップで挑むのは、少し危険な気もする。そして、キャブスのトラップディフェンスに対して、ラウリーとデローザンがどのような対応力を見せるか…。
このシリーズは本当に楽しみ。第1戦は、現地5月1日にトロントで行われる。
ボックススコア:「NBA」