ダミアン・リラードはNBAナンバー1のクラッチプレイヤーかも
「クラッチプレイヤー」とは、勝敗を分ける大事な局面で最高のプレーを発揮できる選手のこと。度胸があってプレッシャーに強く、接戦終盤の絶対にミスできない状況でシュートを沈めて勝利を呼び寄せる。試合のラストショットを安心して預けられる特別なプレイヤーたちだ。
通常、勝負強さやここ一番の集中力といったスキルは、経験や場数と共に養われていくものだが、ポートランド・トレイルブレイザーズのダミアン・リラードはデビューわずか3年目にして、すでにリーグ屈指のクラッチプレイヤーになりつつある。
リラードのクラッチショットと言えば、昨季プレイオフの対ロケッツシリーズ第6戦で決めた逆転ブザービーターが記憶に新しい。
リラードのクラッチっぷりは今季も相変わらず。12月23日のサンダー戦では、残り5秒/3点ビハインドという場面から第6戦ブザービーターにそっくりなキャッチ&シュートのスリーポイントを沈め、試合を延長戦に持ち込んだ。
▼リラードの23日同点スリーと第6戦ブザービーター
リラードのOTスタッツ
リラードはオーバータイムになると一層と輝きを増し、覚醒するパターンが非常に多い選手だ。数字がそのことを証明している。以下は、リラードがキャリア15回のオーバータイムで記録したシュート成功率。
▼リラード in オーバータイム
FG% | 3PT% | FT% |
68.2% (30/44) | 57.9% (11/19) | 95% (19/20) |
※ソース:NBA.com/Stats
オーバータイムのシュート成功率がなんと68%超え!!リラードのキャリア平均シューティングは、FG成功率43.2%、3pt成功率38.5%、フリースロー成功率86.3%。上記の通り、延長戦に入るとシュートの精度が大きく跳ね上がる。リーグ屈指のクラッチプレイヤーと呼ぶにふさわしい勝負強さだ。
この数字がどれほど凄まじいものなのか、他のスーパースターたちのオーバータイムスタッツと比較すればよくわかる。
▼コービー、レブロン、デュラントの延長戦パフォーマンス(2000年~)
試合数 | FG% | 3PT% | |
K.ブライアント | 79 | 42.2% (141/334) | 25.7% (17/66) |
L.ジェイムス | 64 | 47.4% (110/232) | 35% (28/80) |
K.デュラント | 42 | 40% (60/150) | 34.8% (15/43) |
D.リラード | 15 | 68.2% (30/44) | 57.9% (11/19) |
※データ:Basketball Reference
コービー、レブロン、デュラントの3人とも、OTになるとキャリア平均よりもシュート成功率が落ちる。4クォーターを戦った後のオーバータイムではスタミナが限界に近づくので、当然と言えば当然だ。そのあたりを考慮すると、リラードの延長戦パフォーマンスは桁外れに秀逸だといえる。
▼12月19日スパーズ戦、第4Q残り2分~トリプルOTのリラード
また昨季のリラードはデュラントやハーデンと並び、第4Q残り1分以下からの同点もしくは逆転シュートを最も多く成功させたプレーヤーでもある。
▼第4Q残り1分以下での同点/逆転クラッチショット成功数トップ5 (2013-14)
FG | 3pt | |
D.リラード | 8本 (8/20) | 5本 (5/10) |
J.ハーデン | 8本 (8/16) | 4本 (4/8) |
K.デュラント | 8本 (8/21) | 3本 (3/8) |
S.カリー | 7本 (7/20) | 1本 (1/7) |
K.アービング | 5本 (5/14) | 1本 (1/5) |
※データ:Basketball Reference
▼リラード、2013-14シーズンのクラッチプレーTop10
もちろんここで取り上げたデータだけが「クラッチプレー」を定義するものではないし、サンプルサイズもそれほど大きいとは言えない。だがリラードが近年トップクラスのクラッチシューターだというのはまぎれもない事実だ。
試合時間残り10秒で1点ビハインド、この状況ならどの選手にボールを託す?
Thumbnail via YouTube/NBA