NBAがようやく『テイクファウル』厳罰化へ、2022-23シーズンから新ルール導入
NBA理事会は現地12日、2022-23シーズンからトランジションでの『テイクファウル』に対する新ルールを正式に導入することを発表した。
テイクファウルとは、ディフェンス側が故意にファウルして相手のトランジションオフェンスを止める行為。「ユーロファウル」とも呼ばれる。
自軍のターンオーバーから生じる不利な状況をファウル1つで回避できるため、スマートな戦略ともされてきたが、その一方でNBAの醍醐味の1つとも言えるトランジションでの“ショータイム”的なハイライトプレイを幾度となく台無しにしてきたのも事実。観る側としては確実に盛り下がるプレイであり、何年も前からテイクファウルの厳罰化を望む声がたくさん出ていた。
▼トランジションでのテイクファウルの例:
これまでは通常のファウルとして扱われてきたテイクファウルだが、2022-23シーズンからはテクニカルファウルと同じペナルティ。第4Qとオーバータイムのラスト2分間を除き、オフェンス側に1本のフリースローとポゼッションが与えられる。
またトランジションだけでなく、オンボールでスティールされた選手がすぐさま相手の体を掴んでプレイを潰すような行為も、新ルール下でのテイクファウルとしてみなされるとのことだ。
テイクファウルの厳罰化により、来季からはエキサイティングなダンクハイライトがもっと増えるはず。ヤニス・アデトクンボのようなトランジションの怪物にとっては嬉しい変化だろう。
なおトランジション中のファウルであっても、プレイを止めるためだけのファウルではなく、スティールを狙いに行った結果のファウルなど正当な守備プレイと判定された場合、普通のファウルと同じ扱いになるとのこと。審判たちは、このあたりの見極めに苦戦させられることになりそうだ。
トーナメント
今週にラスベガスで行われたNBA理事会の会議では、テイクファウル厳罰化の他にも、プレイイン・トーナメントの正式な導入が承認された。
プレイ・イン・トーナメントは、レギュラーシーズン終了後に各カンファレンスの7~10位のチームがプレイオフ最後の2枠を争うイベント。過去2シーズンで試験的に導入され、プレイオフの試合と比べても遜色ない盛り上がりで大好評を博した。
▼プレイ・インの感動
またNBA理事会は、『インシーズン・トーナメント』についても協議。
インシーズン・トーナメントは、以前から何度も話題になっていたNBAテコ入れ案の1つ。フォーマットなどの詳細は今のところ未定だが、シーズン中盤に開催予定のミニトーナメントであり、2023-24シーズンからの導入を前向きに検討しているという。
今回のNBA理事会では他にも、「ドラフトの年齢制限解除」や「ロード・マネジメント」など様々なトピックについても協議した。
コミッショナーのアダム・シルバーは、『One and Done』ルール撤廃(ドラフトの資格を再び高卒に戻す)のアイデアについて「正しい選択だと思う」と後押し。一方で、今オフのリーグを震撼させたケビン・デュラント(契約残り4年)の移籍騒動については、「リーグとしてこんな形で選手がトレードを要求する状況は好ましくない」と、行き過ぎた『プレイヤー・エンパワーメント』のムーブメントを憂うコメントを残している。
参考記事:「NBA」