キャリアハイ43得点のニコラ・ブーチェビッチに清き一票を
NBAでは現地5日、オーランド・マジックが本拠地アムウェイ・センターでシカゴ・ブルズと対戦。センターのニコラ・ブーチェビッチが圧巻の大活躍を見せ、マジックを123-119での勝利に導いた。
この日のブーチェビッチは、29本中17本のフィールドゴールを成功させて43得点をマーク。自身のキャリアハイ得点を記録しつつ、さらに19リバウンド、4アシストを獲得と、非の打ち所がないオールラウンドゲームを披露した。
マジックはブーチェビッチの活躍により、連敗を4でストップ。今季成績を、イースト11位タイの9勝14敗としている。
ブーチェビッチが40点ゲームを達成したのは、2017年10月のネッツ戦以来初でキャリア通算2度目。試合後、「勝ち試合でキャリアハイを記録できて最高の気分だ。前回は負けたから。勝利できたからこそ、キャリアハイを楽しめる」と自己ベスト更新を喜んだ。
一方で敗れたブルズは、ザック・ラビーンが26得点/8アシスト、新人のパトリック・ウィリアムズが20得点で奮闘。ラウリ・マルカネンは前半17分間で13得点と好調だったが、肩の負傷で途中退場した。
なおブルズは、2020ポストシーズンに出場したイースタンカンファレンス8チーム相手の試合で、2019年10月から1度も白星をあげていない。今回マジックに敗れたことで、ここ2シーズンでのイーストプレイオフチームとの対戦が0勝25敗となっている。
ブーチェに清き一票を
今季のブーチェビッチは、23試合の出場でキャリア最多の23.4得点、11.5リバウンド、3.5アシストを平均。
特にシューティングが絶好調で、3ポイントショットの平均アテンプト数6.3本から成功率43.1%を維持と、センターとして異例の数字を記録中。カイリー・アービングやボヤン・ボグダノビッチらNBAトップクラスのシューターと同じレベルのペースでスリーを決めている。
ブーチェビッチは、サイズやパワープレイで相手を圧倒するタイプではなく、テクニック重視型のセンター。同じファーストネームのニコラ・ヨキッチのように、シュートレンジの広さ、ゴール下でのフットワークやシュートタッチなど、とにかくテクニックが素晴らしい。
ヨキッチほどの超天才パサーではないが、パスセンスも高く、エルボーやポストでのプレイメイクからチームオフェンスの基点になれるコートビジョンを持っている。
また守備面でも、ショットを次々と叩き落とすリムプロテクターではないが、全体の動きを読む力やヘルプのローテーションは抜群。ファウル数も1試合平均1.8回と、ビッグマンとしては極めて低く、ミスの少ない堅実なディフェンダーだ。
今季リーグで20得点/10リバウンド/3アシスト以上を平均している選手は、ブーチェビッチの他に、ヤニス・アデトクンボ、ニコラ・ヨキッチ、ドマンタス・サボニス、ジュリアス・ランドルの4選手のみ。その中で、スリー成功率40%を超えているのは、ブーチェビッチしかいない。
▼トップ・オブ・ザ・キーからの得点は今季リーグ首位
エンビードやアデバヨ、サボニスと並んで、イースタンカンファレンスを代表するセンターの一人であるブーチェビッチだが、注目度は高くない。オールスター2021ファン投票の第1次集計では、これほどのスタッツを記録しながらも、イーストのフロントコート枠でTop10にも入れなかった。
今季マジックは、ジョナサン・アイザックとマーケル・フルツの長期欠場に加え、2月に入ってからはアーロン・ゴードンも足首負傷で4~6週間の離脱が確定。
主力3人不在という壊滅的な状況で、現在イースト8位からわずか1ゲーム差でプレイオフレースに食い下がれているのは、ブーチェビッチの活躍があってこそだろう。
ボックススコア:「NBA」