クリス・ポール、移籍決断した理由の一つはリバースHCへの不信感?
2017年のFA解禁を目前に、トレードという形で6年間在籍したクリッパーズを離れることとなったオールスターのクリス・ポール。リーグに衝撃が走る中、ESPN『スポーツセンター』のアンカーでクリッパーズの内部事情に詳しいMichael Eaves氏が、ポール移籍の裏側について「リバース親子への不満が一因となった」と報じ、そのことが現地メディアや関係者の間で物議を醸している。
Eaves氏によると、ポールとドック・リバースHCの関係が悪化し始めたのは、クリッパーズがオースティン・リバースをトレードで獲得した後。ポールを含むメンバーの何人かには、オースティンがヘッドコーチ兼球団社長である父親の威光で好き勝手に振る舞い、チームメイトと調和する気がまったくないように見えていたという。またクリッパーズの選手たちは、リバースHCが息子をひいきしているとも思っていたようで、オースティンが試合や練習でミスをしても、他の選手の時ほど厳しく注意されないと感じていたそうだ。
Eaves氏が関係者から聞いたという話では、そのようにしてチーム内の溝がどんどん深まっていったとのこと。そしてリバースHCに対するポールの不信感が決定的となったのは、リバースHCがニックスとのトレードを拒否した時だとしている。以下、Eaves氏のFacebookより:
「ニックスはカーメロ・アンソニーとサーシャ・ブヤチッチをオファーし、その見返りとしてジャマール・クロフォード、ポール・ピアース、オースティン・リバースの3選手を要求したが、最終的にリバースはそのトレードを拒否。この出来事により、ポールは『ドックにとっては、チームの強化よりも息子の方が大切なのだ』と思うようになった。結果的に、ポールはドックに対する信用と信頼を失った」
この報道について、当事者の一人であるオースティン・リバースは真っ向から否定。Twitterで「作り話だ」として一蹴した。
https://twitter.com/AustinRivers25/status/880162937339387904
「このデマはコメディー。作り話すぎて逆に愉快だ。注目を集めるためなら何でもやる。ピエロがたくさんいるよ」
– オースティン・リバース
またドック・リバースHCも、LA Times紙の取材でクリス・ポールの移籍について言及し、「選手間の不仲」は関係なく、「優勝できる可能性が高いと感じたから移籍しただけだ」としている。
「当然ながら、CP3がいなくなるのは大きな損失だ。彼が数年間ここで尽くしてくれたことに感謝したい。彼が移籍したのは、ジェイムス・ハーデンと一緒にプレイしたかったからだ。話を歪曲するのはやめてくれ。私は彼の幸運を祈っているよ。移籍に反対か?と問われればもちろんそうだ。彼にはここが一番合っていると思う。だけどそれは私が決めることではい。CP3が決めることであって、彼は違う結論を出した。ブレイク(グリフィン)やDJ(ジョーダン)、オースティンに関する噂話は聞いているよ。彼が移籍したのは3人のせいだとね。ブレイクやDJ、そしてオースティンのせい。だが我々は3人のせいではないことを確信している。移籍の理由については様々な憶測が飛び交っているが、一つ確かなのは3人のせいではない。彼がチームを去ったのは、別の場所で優勝できるチャンスが高くなると感じたからだ」
– ドック・リバース
ESPNによると、クリス・ポール残留を望んでいたとされるクリッパーズ自身も、5年のマックス契約をオファーすることに関しては二の足を踏んでいたという。37歳のCP3に4000万ドル以上の年棒を支払うことになる5年目の契約がネックになっていたそうだ。
結局のところ、移籍の決め手が何だったのかは本人にしか分からないことだが、今回のトレードは両者にとってウィンウィンだったと言えるかもしれない。クリス・ポールはプレイヤーオプション行使からのトレードにより、バード権利をキープ(来夏にロケッツとのスーパーマックス契約が可能)。一方のクリッパーズは、ポールとロケッツがトレードに応じたことで、有力なロールプレイヤーとトレードアセットを獲得し、何の見返りもなしにフランチャイズスターを失うことを回避できた。
いずれにせよ、長年オン/オフコートでファンを楽しませてくれた“ロブ・シティ”がなくなってしまうのはやはり寂しい。
▼CP3の加入を喜ぶグリフィンとジョーダン(2011年)
Image by Keith Allison
参考記事:「Yahoo Sports」