ラプターズと76ersがイースト準決勝進出
2019年NBAプレイオフのイースト第1ラウンドは、すべてのシリーズが5戦以内で決着となった。
ミルウォーキー・バックスとボストン・セルティックスがすでにスウィープでのセミファイナル進出を確定させているイースタンカンファレンスでは現地23日、トロント・ラプターズとフィラデルフィア・76ersの2チームがホームでファーストラウンドの第5戦にそれぞれ勝利。両チームともホームでの初戦敗北から4連勝でシリーズを制し、イースタンカンファレンス・セミファイナルへの進出を決めた。
ラプターズは、本拠地スコシアバンク・アリーナで行われたオーランド・マジック戦に115-96で圧勝。カワイ・レナードが32分の出場で5本中5本のスリーを決めて27得点、パスカル・シアカムが24得点をあげている。
同日にはフィラデルフィア・76ersもホームでの第5戦でブルックリン・ネッツを下し、第1ラウンドを突破。前半だけで29点リードを奪う圧勝で、ジョエル・エンビードがわずか20分の出場で23得点、13リバウンドのダブルダブルを記録した。
イースト準決勝のマッチアップ
イーストの第2ラウンドでは、1位のバックスと4位のセルティックス、2位のラプターズと3位の76ersが対戦。個人的に特に楽しみなのは、ラプターズとシクサーズのシリーズだ。
ラプターズは第1ラウンド初戦こそ落としたものの、そこから4試合連続でマジックの得点を100点未満に制限。とにかく守備が凄まじい。
元DPOYのカワイ・レナードとマルク・ガソルはもちろん、リーグ屈指のトランジション・ディフェンダーであるダニー・グリーン。カイル・ラウリーはテイクチャージのスペシャリストで、パスカル・シアカムはすべてのポジションにスイッチできるサイズと機動力を持ち合わせた万能ディフェンダーだ。さらにセカンドユニットも、サージ・イバカやフレッド・バンブリートがいるので守備力が非常に高い。
カンファレンス・セミファイナルでは、レナードがベン・シモンズ、グリーンがジミー・バトラー、ラウリーがJ.J.・レディック、ガソルがエンビードをマークする形でひとまず始まりそう。注目のポイントは、マジックとのシリーズでニコラ・ブーチェビッチを封じ込めたガソルが、どこまでジョエル・エンビードにマン・ツー・マンで対応できるか。
一方で76ersにとっては、誰にレナードを守らせるかが大きな課題。それから、ややディフェンスリバウンドに弱いラプターズに対してどれだけオフェンスリバウンドからセカンドチャンス得点に繋げられるかが突破口を開く鍵になりそうだ。
なお今季レギュラーシーズンではラプターズが3勝1敗で勝ち越している。
もう一つのイースト準決勝は、2018イースト第1ラウンドの再戦。去年はセルティックスが4勝3敗でシリーズを制したが、今年はシーディングが逆転しており、下馬評ではリーグ首位のバックス優勢と見られている。
今季レギュラーシーズンのセルティックスはやや期待外れの成績だったが、第1ラウンドではインディアナ・ペイサーズを4勝0敗でスウィープ。カイリー・アービングのショットメイキング力はやはり圧倒的で、さらにジェイソン・テイタムやゴードン・ヘイワードらもジャンプショットに依存するのではなく、アグレッシブにリムを攻めていた。シーズン勝率は落ちたものの、ロスターのタレントだけを見れば昨季よりもレベルが上だと言えるだろう。
ブラッド・スティーブンスHCがヤニス・アデトクンボに対してどんな守備戦略で挑むのかすごく楽しみだ。
ボックススコア:「NBA」