ロケッツがカーメロ・アンソニーと決別へ
今季開幕からわずか1カ月。さすがはダリル・モーリーGMというべきか、予想以上に見切りをつけるのが早かった。
ヒューストン・ロケッツは現地15日、今夏に1年契約を結んだフォワードのカーメロ・アンソニーと決別する意向を正式に発表。モーリーGMは声明文の中で、「思い描いていたフィットが実現しなかった」と今回の決断について説明している。
「チーム内で協議を重ねた結果、ロケッツはカーメロ・アンソニーと決別する選択をしました。退団の形については、現在検討中です。ロケッツ在籍中のカーメロはとても協力的で、マイク・ダントーニHCが求めるどんな役割も受け入れてくれました。彼がロケッツとの契約を選んだ時に、我々は理想のフィットを思い描きましたが、それを実現することができませんでした。よってお互いにとって前に進むのがベストだと判断し、それ以外の選択肢は彼に対してアンフェアであると考えた次第です」
– ダリル・モーリー
昨季をオクラホマシティ・サンダーでプレイしたアンソニーは、今オフにウェイブされることを条件にアトランタ・ホークスへとトレードされ、その後ロケッツとベテランミニマムで契約。ロケッツではベンチスタートの役割をすんなりと受け入れ、優勝候補チームにロールプレイヤーとして貢献できることが期待されたが、モーリーGMの言うようにチームのスタイルに上手くフィットできず、ファンたちの間ではロケッツ低迷の責任を負わされるスケープゴート的な存在にされかけていた。
ロケッツにとって、アンソニーとのミニマム契約は、ローリスク・ハイリターンな賭けになるはずだった。今季のアンソニーは、エースのジェイムス・ハーデンが欠場した11月2日のネッツ戦でFG12本中9本成功から28得点をあげるなど、持ち味を存分に発揮できた試合もあったものの、短いシーズンを通してシューティングが安定せず、10試合で13.4得点、FG成功率40.5%を平均。さらに守備面でもラインアップの大きなマイナス要素になり、今季ロケッツはアンソニーがフロアにいる時間帯に平均得失点差で-6.3点を記録している。
▼シーズンハイ29得点
オールスター常連で世代を代表するスコアラーが、短期間でこれほど転落するなんて、数年前は誰に想像できただろう。年齢による身体的な衰えはもちろんだが、オールラウンドなスキルが重宝されるスモールボール主流な今のリーグでは、守備が苦手でオンボールオフェンスに特化したアンソニーのようなフォワード選手は活躍が難しくなっている。
参考記事:「NBA」