ウォリアーズが30点差でスパーズを一蹴
現地25日にオラクルアリーナで行われたサンアントニオ・スパーズ対ゴールデンステイト・ウォリアーズのリーグ2強対決は、ウォリアーズがすべてのクォーターをアウトスコアして120-90で圧勝。ホーム無敗記録を維持し、スパーズに今季最大点差での敗北を与えた。
おかしいな?噂では、今季レギュラーシーズンいちの大接戦、最強のオフェンスと最強のディフェンスの壮絶なバトルが見れると聞いていたんだけどね…。
蓋を開けてみれば、見事なまでのワンサイドゲーム。グレッグ・ポポビッチHCは試合後のインタビューで、「タフネスやアグレッシブさに関して言えば、大人と子供が試合をしているようだった」とウォリアーズのパフォーマンスを称えた。
「スパーズのGMがロッカールームにいなくて良かった。もしいたら私は解雇されていたかもしれない」
– グレッグ・ポポビッチ
やはり最大の問題は、ステファン・カリーとかいうバグだ。スパーズは試合を通して、何をやってもMVPを止められず、ディフェンスを無茶苦茶に掻き回された。
序盤にマッチアップしたトニー・パーカーは、まったくカリーの動きについていけない:
▼3Pラインからこの距離でスクリーンをアンダーできないとか反則
▼エレベーターからカリーのスリー
パティ・ミルズやジョナサン・シモンズはフルコートでプレッシャーをかけつつ、アグレッシブなディフェンスで対抗するも、とにかくカリーのスキルが高すぎる。
かといってピック&ロールでダブルチームに行けば、今度はドレイモンド・グリーンの餌食に:
試合開始から6分でカリーに10得点、3スティール、2アシストを奪わた後、カワイ・レナードがカリーにスイッチ。しばらくウォリアーズをスローダウンさせることに成功するが、それも長くは続かない。
▼DPOYをオフボールでアンクルブレイク
一方のスパーズは、序盤からウォリアーズのアップテンポな試合展開に引きずり込まれてミスを連発。最初のクォーターだけで8ターンオーバーを記録し、そこから何度もイージーな得点を奪われる。
それでも第1Q終了時点で6点ビハインドと、何とか僅差で食い下がることができたが、巻き返しを図る最大のチャンスになるはずだったカリーがいない時間帯までアウトスコアされる始末。スパーズディフェンスの強みのひとつは、ペリメーターでのボールディナイとプレッシャーだが、ウォリアーズはバックドアカットで見事にカウンターし、オーバープレー気味の守備を切り崩した。
またスパーズにとって問題となったのは、パーカーのミスマッチ。ハイ/ローポストでパーカーがドレイモンドやアンドレ・イグダーラにポストアップされた際に、レナードがマークマンをゴール下にほったらかしにしてヘルプに走るというミスを犯し、その結果レイアップを許してしまうという場面がいくつかあった。
こうしてスパーズは後手に回ったまま、第2Q中盤にカリーが戻ってくるとさらに点差を拡大され、62-47の15点ビハインドでハーフタイムに突入。前半の62失点はハーフにおける今季チーム最多となる。
後半に入ると、開始からラマーカス・オルドリッジとカワイ・レナードの連続フィールドゴールにより、10点差まで詰め寄ったが、そこからカリーがクォーター18得点と大爆発。第3Q終了時点で95-66の29点差となり、大注目が集まった世紀の一戦は第4Qがガベージタイムという形で早々と決着がついた。
Q1 | Q2 | Q3 | Q4 | ||
SAS | 23 | 24 | 19 | 24 | 90 |
GWS | 29 | 33 | 33 | 25 | 120 |
ウォリアーズは、9本中6本のスリーを沈めたカリーが、28分の出場で37得点、5スティール、1ターンオーバーを記録。今季リーグダントツトップを誇るスパーズのディフェンスを完全に破壊した。もうそろそろMVP確定でもいいと思う。
他には、ドレイモンド・グリーンが11得点、9リバウンド、6アシストと、いつも通りのオールラウンドゲームを披露。ショーン・リビングストンがFG成功率100%で13得点、同じくベンチ出場のブランドン・ラッシュが13得点を挙げた。
敗れたスパーズは、最初の3クォーターで二桁得点に到達したのが、レナード(16得点)とデイビッド・ウェスト(12得点)の2人のみ。パーカーは攻守で居場所がなく、ダニー・グリーンはオフェンスでほぼ透明人間状態、オルドリッジは徹底的にドレイモンドに抑え込まれた。
ゲームスタッツ
- GSW: FG85本中44本成功、31アシスト、21ターンオーバー
- SAS: FG74本中31本、21アシスト、25ターンオーバー
スパーズはターンオーバー数がアシスト数を上回るという大失態。さらにペイントエリア得点で52-36と圧倒され、スパーズのアドバンテージになると予想されたベンチ得点でも53-49と競り負けた。まさに完敗だ。
「ダ、ダンカンがいなかったからノーカウントだね」と言いたいところだが、仮にダンカンが出場していても結果は同じだっただろう。まだ敵地での1試合を終えただけとはいえ、もしかすると想像以上にウォリアーズとの相性が悪いかもしれない。ただ、試合序盤でウォリアーズのペースと球場の熱狂的な雰囲気にのまれた際に、ダンカンのベテランリーダーシップが欲しかった。
なおスパーズが30点差以上で大敗を喫した例は、ダンカンのNBAデビュー(1997年)以降で今回が10回目となる。
ボックススコア:「NBA」