ウォリアーズが大荒れのウェスト・セミファイナル第1戦に勝利
現地28日、ゴールデンステイト・ウォリアーズが本拠地オラクルアリーナで行われたヒューストン・ロケッツとのカンファレンス・セミファイナル第1戦に104-100で辛勝。
試合前日はステフィン・カリーとクレイ・トンプソンの足首負傷が報じられるなど、不安要素だらけで強敵との初戦に臨んだウォリアーズだったが、ケビン・デュラントやドレイモンド・グリーンがチームを牽引してシリーズの先手を取った。
試合を通して点差が二桁に広がらない激闘となったシリーズ初戦は、第1Qだけでウォリアーズが8ターンオーバー、ロケッツが14本中13本のスリーに失敗と、両者ともミスの多いスローなスタート。途中からはウォリアーズが突き放そうとする度に、ロケッツが素早く巻き返し、僅差のまま第4Qのクラッチタイムに突入する。
残り時間6分で同点に迫られたウォリアーズは、そこからケビン・デュラントのアイソレーションを軸に得点をあげて主導権を握ると、ラスト1分を切ったところで5点リードを奪取。ロケッツは残り40秒にジェイムス・ハーデンが3点プレイのレイアップをねじ込んで食い下がったが、続くポゼッションでカリーがネネの上からスリーを沈めて再び2ゴール差に突き放した。
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ハーデンの3点プレイからカリーのクラッチスリーに続くシーケンスがとても印象的だった。
ハーデンがカウント・ワンスローのレイアップを決めた時点で残り40秒の3点差。ここでロケッツは、リバウンダーとしてネネを投入する。恐らくマイク・ダントーニHCは、フリースローの後にウォリアーズがタイムアウトをコールすると踏んだのだろう。だがスティーブ・カーHCは、この勝負所でネネがフロアにいるという好機を見逃さなかった。
ウォリアーズは2つ残っていたタイムアウトを使用せず、カリーにボールを託す。そしてスクリーンでネネをペリメーターに引きずり出し、決勝弾のスリーに繋げた。
バスケはこういった終盤の駆け引きがすごく面白い。
その後ロケッツはハーデンが再びレイアップを決めて3点差に迫り、さらに残り17秒にデュラントからボールをスティールしてOTに持ち込むチャンスを手にするが、同点を狙ったハーデンのステップバックスリーはリムに弾かれ、ウォリアーズがそのまま逃げ切った。
ウォリアーズは、ケビン・デュラントがゲームハイの35得点をマーク。デュラントはファーストラウンドの第5戦で45得点、第6戦で50得点をあげており、ウォリアーズの選手がプレイオフで3試合連続35得点以上を記録したのは1967年のリック・バリー以来初となる。
デュラントの他には、カリーが18得点、ドレイモンド・グリーンが14得点、9リバウンド、9アシストを獲得。特にグリーンは守備でも大活躍し、ハーデンとカペラのコネクション潰しやヘルプディフェンスが素晴らしかった。
▼KD
敗れたロケッツは、ハーデンが35得点、エリック・ゴードンが27得点で奮闘。ウォリアーズのスリー試投数を22本に制限するなど守備は良かったが、序盤からロングレンジショットのリズムを掴めず、自軍の3P成功率が47本中14本の29.8%に終わった。
判定に物議
なお第1戦では、合計で4つのテクニカルファウルがコールされた。クリス・ポールに2回、ドレイモンド・グリーンとマイク・ダントーニHCにそれぞれ1回ずつ。いずれも審判の判定に激しく抗議したことが原因だ。
この日の試合で最も物議を醸した判定は、ハーデンへのノーコール。ハーデンがステップバックを放った際に、クレイ・トンプソンが着地地点までクローズアウトして接触するプレイが前半だけで何度かあったが、笛は鳴らなかった。
ルール上では、ディフェンダーはジャンプシューターに対して安全に着地できるスペースを与えなければならない。ザザ・パチュリアのアンダーカットでカワイ・レナードが足首を負傷した2年前のウェストファイナル以降は、特に取り締まりが厳しくなっている。
ハーデンは試合後、「僕はただ公平なチャンスが欲しいだけ。しかるべきやり方でゲームをジャッジしてくれという話だ。そうすれば結果をちゃんと受け入れられる」と苦言。ただ審判からしてみれば、ハーデンは普段から大袈裟なリアクションで笛を吹かせようとすることが多い選手なので、判定が極めて難しいのかもしれない。
ボックススコア:「NBA」