ウォリアーズが再び大逆転勝利でファイナル進出に王手
現地18日、ゴールデンステイト・ウォリアーズがモダ・センターで行われたポートランド・トレイルブレイザーズとのカンファレンスファイナル第3戦に110-99で勝利。シリーズを3勝0敗とし、5年連続でのNBAファイナル出場に王手をかけた。
もしウォリアーズが5年連続ファイナル進出を実現させれば、1950/60年代のボストン・セルティックス以来半世紀ぶりで、史上2チーム目の大快挙となる。
この日のGSW劇場は前回とほぼ同じシナリオだった。
前半の主導権を握られ、第2終盤で最大18点ビハインドを背負ったウォリアーズだったが、前の試合と同じく後半に入ってから怒涛の猛反撃。第3Qを29-13のダブルスコアで上回って逆転すると、主力の1人であるアンドレ・イグダーラが負傷退場する中、第4ピリオドは最後までリードを維持してゲームをコントロールした。
ファイナル進出まで1勝に迫ったウォリアーズは、ステフィン・カリーがゲームハイの36得点をマーク。カリーはシリーズ最初の3試合でいずれも35得点以上をあげており、これは球団史上初の快挙となる。
カリーの他には、ドレイモンド・グリーンが20得点、13リバウンド、12アシスト、4スティールでオールラウンドに大活躍し、プレイオフキャリアで通算7回目のトリプルダブルを達成した。
▼グリーンがTD
ウェストファイナルのシリーズではグリーンのパフォーマンスが最高に素晴らしい。「早くも衰え始めたか?」などと言われていた今季レギュラーシーズンとはまるで別人。減量に成功して動きに切れが戻ったのと、あとは単純に試合に対するモチベーションの違いが大きいのだろう。
ディフェンスでの圧倒的な存在感はもちろん、ケビン・デュラントが離脱してからはオフェンスで基点の役割を務める機会が増え、この日の第3戦でもトランジションでアグレッシブに攻めながら苦しい時間帯に活路を切り開き、カムバックの原動力となった。
なおロケッツとのセミファイナル第1戦以降のグリーンは、9試合で審判への抗議によるテクニカルファウルがゼロ。多くの選手にとっては当たり前のことかもしれないが、これまでのグリーンを考えればただ事じゃない。試合後には「プレイよりも泣き言の方が目立つようになってしまっていた。そんな風にプレイしてしまった自分自身にうんざりした」と自分を客観視して反省するコメントを残すなど、メンタル面での成長も感じさせる。
またこの日の試合で印象的だったのは、グリーンのリーダーシップ。第3Qにジョーダン・ベルがノーマークのダンクに失敗してうなだれていた際には、「こいつもショットをミスしたし、あいつもショットをミスした。だから気にするな。走る続けろ」と声をかけてチームメイトを励ました。
カリーがチームの“システム”ならば、グリーンはチームの“ハート”と言えるだろう。
敗れたブレイザーズは、CJ・マッカラムが23得点、デイミアン・リラードが19得点、マイヤーズ・レナードが16得点を獲得。同シリーズではリラードの調子が悪く、3試合の合計でFG成功数(15本)とターンオーバー数(14本)にほとんど差がないという悲惨な状況となっている。『The Athletic』によると、どうやらリラードは肋骨を痛めているらしい。
ウォリアーズとブレイザーズのシリーズ第4戦は、現地20日に再びモダ・センターで行われる。
ボックススコア:「NBA」