ウィザーズのダービス・ベルターンスがシーズン再開不参加へ
7月30日からのリーグ再開が予定されている2019-20シーズンのNBA。
コロナウイルスのパンデミックや人種差別への大規模な抗議デモなど、今は社会全体が不安定な状況にあるため、シーズン再開に不安を感じる選手は参加しなくてもよいことになっている。欠場した分のサラリーは差し引かれるが、通常時のようにペナルティが科されることはない。
ESPNのAdrian Wojnarowski記者によると現地22日、ワシントン・ウィザーズのダービス・ベルターンスが、オーランドで開催されるシーズン再開に参加しないことを決意したとのこと。負傷中の選手以外で、シーズン不参加を正式に表明するのは、ベルターンスが1人目だ。
昨夏にサンアントニオ・スパーズからウィザーズへとトレード移籍(M.モリスの乱)したベルターンスは、今季54試合で自己ベストを大幅に更新する15.4得点を平均。スリー試投数8.7本で成功率42.4%と、リーグ屈指のシャープシューターとして活躍し、2020オールスターの3Pコンテストにも招待された(しかも決勝進出!)。
▼“ラトビアのレーザー砲”
怪我をしていないベルターンスがシーズンを離脱するのは、ファンとして少し残念だが、NBAキャリアで最も大事な時期にいるベルターンス的には英断だと思う。
現在ウィザーズは24勝40敗のイースト9位で、8位のオーランド・マジックとは5.5ゲーム差。優勝どころか、プレイオフ進出すら極めて難しい。
ベルターンスは今季終了後に無制限FAとなる。年齢は27歳で、過去に2度の膝前十字靱帯断裂を経験している。キャリアベストなシーズンを送ったばかりであり、今夏(今秋?)は長期の高額契約を獲得する最初で最後のチャンスになるかもしれない。
もしオーランドでのシーズン再開に参加するとなれば、数週間にわたる家族や友人からの隔離生活を余儀なくされる。長期の外出自粛でアスリートとしてのコンディションも万全ではないはずで、それだけ怪我のリスクも高い。もちろんコロナに感染するリスクもある。
そんな状況下で、ベルターンスがシーズン再開に参加するメリットはほとんどないと言えるだろう。
なお同日には、ポートランド・トレイルブレイザーズのトレバー・アリーザもシーズン再開への不参加を宣言。選手たちは、現地6月24日までにシーズン参加の是非をチームに伝えなければならない。
参考記事:「ESPN」