ウルブズがブランドン・ロイを放出: なのでロイのキャリアを振り返ってみた
ミネソタ・ティンバーウルブズが11日、ガードのブランドン・ロイを放出することを発表した。再建を目指すウルブズにとっては賢明な選択だと思うが(年棒約500万ドルがクリアになる)、若い選手が怪我でいなくなるのはやはりさみしい…。
2011年に膝の怪我で一度引退したロイは、今シーズンにウルブズと契約して現役復帰。5試合に出場するも、11月に再び膝の手術を受け、そこから回復することなくシーズンを終えた。一時は“次期スーパースター”との呼び名が高かったロイだが、今回の放出で完全引退するとの見方が強い。
ロイは本当に素晴らしい選手だった。ポジションはシューティングガードだが、全盛期にはポイントガードからスモールフォワードまでこなした理想的なオールラウンダー。高い得点力と身体能力、プレーメイキング、クラッチプレーなど、スターの条件をすべて兼ね揃えており、中でも特にバスケットボールIQが高かった印象がある。
「もし怪我がなかったなら…」、そんなことはどのチームにも言えることだが、2000年代後半のブレイザーズは特に悔やまれる。“もし”ロイとグレッグ・オデン(Mr.今季絶望)が健康なままポテンシャルを発揮できていれば、今頃ブレイザーズは優勝争いの最前線にいることだろう。
ブランドン・ロイを振り返る
2006-07シーズン
2006年ドラフトの全体6位でNBA入りし、ブレイザーズからデビュー。ルーキーシーズンに16.8得点、4.4リバウンド、4.0アシストを平均して、新人王(ルーキー・オブ・ザ・イヤー)に輝いた。
2007-08シーズン
07-08シーズンには19.1得点を平均し、2年目にして若きブレイザーズのエースに成長。プレイオフ進出はならなかったものの、ロイはこの年、初のオールスターに選ばれている。
2008-09シーズン
翌08-09シーズンは、ロイにとってまさに全盛期だった。対サンズ戦でのキャリアハイ52得点(ターンオーバー無し)や対ニックス戦での10スティール(フランチャイズ記録)などスーパースター級のパフォーマンスを次々と披露し、シーズンを通して22.6得点、5.1アシストを平均。ロイは、ブレイザーズからクライド・ドレクスラー以来初のオールNBAチームに選出され、チームを6シーズンぶりのプレイオフへと導いた。
2009-10シーズン
09-10シーズンにも3年連続となるオールスター選出を果たすが、怪我のため辞退。このあたりからロイの輝かしいキャリアに陰りが見え始める。
ロイはシーズン終了直前に右ひざ半月板を損傷し手術を受けたため、この年のプレイオフは欠場するだろうと予想されていたが、第1ラウンドの第4戦でまさかの復活。見事チームを勝利に導いたが、結局この右ひざが時限爆弾となり、ロイの選手生命に大打撃を与えることとなる。
2010-11シーズン
シーズン序盤は普通にプレイできていたものの、12月に入り再び右ひざが悪化。その数週間後に無期限の欠場を発表した。ロイは1月に再び手術を受け、翌月に復帰を果たすが、以前のようなレベルでプレイすることは到底できず、リザーブとして残りのシーズンを終える。
最後のテイクオーバー
2011年プレイオフ、対マブスシリーズの第4戦。ブレイザーズ18点ビハインドで迎えた第4Qに、ロイが覚醒した。
ロイは第4Qだけで18得点をマークし、チームは見事逆転勝利。まるで怪我前のようなプレイで、プレイオフ史でもまれに見る奇跡的なカムバックを演じた。
2011~現在
11-12シーズンが始まる前に、ロイは引退を表明した。2012年にウルブズとして復帰、今回の放出に至る。
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