フランスが東京五輪開幕戦で大金星、アメリカのオリンピック連勝記録を25で終わらせる
東京オリンピックの男子バスケットボールは大波乱での開幕となった。
フランス代表が25日、さいたまスーパーアリーナで行われたアメリカ代表とのグループA予選ラウンド初戦に83-76で勝利。大会3連覇中のチームUSAがまさかの黒星スタートだ。
USAバスケットボールがオリンピックの試合で敗北したのは、2004年のアテネ五輪以来初。親善試合や地域予選を除くオリンピック本戦での連勝記録が25で終わった。
大番狂わせを演じたフランスは、エバン・フォーニエ(ボストン・セルティックス)がゲーム最多の28得点でチームを勝利に牽引。第4Q残り1分の正念場では逆転のスリーを決めている。
▼ヤブセレのハッスルが素晴らしい
フォーニエの他には、2021DPOYのルディ・ゴベア(ユタ・ジャズ)が14得点/9リバウンド、ポイントガードのナンド・デ・コロが13得点/5アシストで貢献。フランスは第4Q残り3分20秒で7点ビハインドのピンチに陥っていたが、そこから14-0のランで猛反撃して勝利をもぎ取った。
▼試合後のフォーニエ
▼ジョエル・エンビードもフランスを応援していた模様
「がんばれ、フランス」
▼ハーフタイムにはベン・シモンズの天敵が登場
常勝神話の崩壊
敗れたアメリカは、ドリュー・ホリデーがベンチから18得点、先発センターのバム・アデバヨが12得点/10リバウンドのダブルダブルで奮闘。試合の大部分でペースを握りながらも、第4Qのラスト4分から1本もフィールドゴールを決められず、逆転負けを喫する結果となった。
この日のチームUSAはとにかく最悪の出来だった。まず、フロアに立った11選手の内、フィールドゴール成功数と同等以上のファウルを犯した選手が5人。
- ケビン・デュラント:5ファウル、FG成功4本
- ドレイモンド・グリーン:4ファウル、FG成功1本
- ザック・ラビーン:3ファウル、FG成功3本
- デビン・ブッカー:2ファウル、FG成功1本
- ジャベール・マギー:1ファウル、FG成功0本
チームとして練習不足なのも明らかで、ボールの“譲り合い”によりわざわざオープンショットを見過ごしてしまうような場面が度々。また勝負所でのディシジョンメイキングも杜撰で、第4Q残り時間40~20秒のポゼッションでは幾度となく同点チャンスを手にするも、頑なに逆転のスリーを狙ったため失敗に終わっている。
なおアメリカは、2019年に中国で行われたFIBAワールドカップのトーナメントでも、準々決勝でフランスに敗北。最終順位が7位に終わり、久々に国際大会でメダルを逃すこととなった。
ただ2019年のチームUSAは、スーパースターがこぞって参加を辞退したため、負けても仕方がないという雰囲気がどこかあった。
▼2019年FIBAのアメリカロスター
2019年FIBAでの雪辱を果たすべく、ケビン・デュラントやデイミアン・リラードらNBAを代表するビッグネームが参戦した今年のチームUSA。ロスター12人中9人が、オールスターもしくはオールNBAチームに選出された経験を持つ超豪華な面子だ。そんなスター軍団がまさか五輪初戦を落とすとは…。
一昔前と比べて、インターナショナルのレベルは確実に上がっている。アメリカがスターパワーだけでゴリ押しできる時代は終わったのかもしれない。
ボックススコア:「FIBA」