【ハイライト】19歳のコービーがベン・ウォレスを豪快にポスタライズ
こちらは、1997年の10月に行われたロサンゼルス・レイカーズ対ワシントン・ウィザーズのプレシーズンゲームでのワンシーン。若手時代のコービー・ブライアントが、ベン・ウォレスの上から凄まじいワンハンドダンクを叩き込む。
まさに「ザ・ポスタライズ」と呼ぶにふさわしいダンク。個人的には、コービーがキャリアを通して披露した数々のダンクの中でも、トップスリーに入るスーパープレイだ。もしこれがレギュラーシーズン中だったなら、もっと評価されていると思う。
▼ベンチのリアクションが最高
絶妙なクロスオーバーに、フリースローサークル内からのジャンプ、そして滞空時間の長さとダンクのパワー。すべてが完璧すぎる理想のポスタライズダンクだ。
当時のコービーは19歳の少年で、プロ2年目のシーズンに臨む直前。リーグ屈指のスーパースターとして台頭する前であり、まだベンチスタートだった。
一方のウォレスも、当時はドラフト外からルーキーシーズンを終えたばかりだった22歳の若手。“ビッグ・ベン”と呼ばれるようになるのはまだまだ先のことで、この頃は完全に無名の選手だった。
その後コービーは、「ジョーダンの後継者」とさえ呼ばれるレジェンド中のレジェンドへと進化。対するウォレスは、ディケンベ・ムトンボと並んでNBA史上最多となる4回のDPOY受賞という偉業を達成し、00年代を代表するディフェンダー/リバウンダーとして歴史に名を刻んだ。
▼ベン・ウォレスの功績
- オールディフェンシブチーム6回
- オールNBAチーム5回
- DPOY4回
- オールスター4回
- リバウンド王2回
- ブロック王
- NBA優勝
この時のコービーのダンクは、後にウォレスを最強のディフェンダーへと成長させるためのモチベーションの一部になったかもしれないし、もしそうだったら素敵な話だと思う。
ウォレスのキャリアで最も印象深いのは、デトロイト・ピストンズの一員として出場した2004年ファイナルでの活躍。対戦相手は、シャキール・オニールとコービー・ブライアント率いるロサンゼルス・レイカーズだった。このシリーズで、ウォレスはシャックをガードするという大役を任される。
全盛期のシャックをマン・ツー・マンで封じ込めるのは絶対に不可能だ。それでもウォレスは体格差を物ともせずに、ローポストの守備で素晴らしい仕事をこなし、特に第3戦ではオニールを14得点、8リバウンドに抑えた。
この年のピストンズは、シリーズ4勝1敗でレイカーズを下す大番狂わせを演じて優勝。誰もが認めるリーグ史上屈指の守備チームだった(ウォレスのディフェンスだけでなく、テイショーン・プリンスのコービーに対する守備も素晴らしかった)。