ステフェン・カリーの夏の秘密特訓を覗いてみよう
気がつけば今年もすでに8月後半。NBAではプレシーズンゲーム開幕を1ヶ月半後に控え、各選手とも来季に向けた調整に取り組んでいる。中でも特に、夏の休暇を返上してまでスキルアップに勤しんでいるのが、ゴールデンステイト・ウォリアーズのステフェン・カリーだ。
昨季は、スリーポイント成功数でNBAレギュラーシーズン記録を塗り替え、初のプレイオフ進出も果たすなど、一気にスターダムにのし上がったカリー。怪我の調子を心配することなくオフシーズンを過ごすのは、彼がNBAデビューして以来、今年が初めてのこととなる。その好機を最大限に利用し、さらなる躍進を目指して、今夏は過酷なトレーニングに励んでいるようだ。
そこで今回は、カリーがどんな猛特訓に臨んでいるのか、少しだけ覗いてみたいと思う。
シューティング
負荷をかけた状態で、ワン・ドリブルからのシュートモーション。ディフェンスを振り切りシュートに持っていくクイックネスを鍛えるための特訓だ。今や誰もがカリーを“NBAのベストシューターのひとり”と認めるが、当の本人はまだまだ満足していない様子。
シンプルなプルアップ・モーション以外にも、ウェイトを付けたままのステップバックシュートなども練習しているらしい。
接触プレーの特訓
カリーは身長191cm、体重86kg。NBA選手として体格的に恵まれているとは言えないが、今夏は可能な限りパワーを付けようとトレーニングに励んでいる。
といっても、ただベンチプレスで筋肉をつけようというわけではない。カリーの筋力トレーニングは、ゴール下でファウルをもらいながらフィニッシュできる力を鍛え上げることに焦点を当てている。
昨季は得点ランキング7位だったカリーだが、他の上位選手に比べて、フリースローラインに立った回数がきわめて少ないのが目立つ。各スター選手の「1試合平均フリースロー数」をみてみると、ケビン・デュラントが9.3本、コービー・ブライアントが8本、レブロン・ジェームズが7本、ジェームス・ハーデンが10.2本といった具合だ。それに対して、カリーはわずか3.7本(※Yahoo!Sportsデータ)。
今後、カリーがリーグ屈指のスコアラーに成長するためには、「ドライブからファウルをもらってフリースロー」というゲームを身に着ける必要がある。
カリーの最大の武器は、外のシュートだ。来季はカリーに対する厳しいマークが予想されるが、そこでインサイドに切れ込んでフィニッシュ、もしくはファウルを誘いだす能力を発揮できれば、カリーはディフェンダーにとって悪夢のマッチアップとなる。
ボールハンドリング
デビュー当初は“生粋のシューター”という印象が強かったカリーだが、昨季にはキャリアハイの6.9アシストを平均するなど、ポイントガードとしての役割も十分に担えるようになってきた。地道なドリブル練習の賜物だ。
今オフシーズンには、重いボールやウェイトを使ったドリルを数多くこなし、ボールハンドリングにさらに磨きをかけている。
とにかくワークアウト
カリーはこれらのトレーニングメニューを、みっちり3時間ほどかけてこなしているそうだ。「1日も練習を欠かしていない。体の調子は最高だと思う。より強靭で、より優れたプレーヤーになって、トレーニングキャンプに参加するつもりだ」、と来季に向けての意気込みを語った。
カリーは来季NBAで最も注目すべき選手のひとり。昨年同様、さらなる躍進を期待したい。
Thumbnail by Vethod via Flickr
ソース:「sportingnews.com」