アーロン・ゴードンがキャリア初のトリプルダブル、ついにポテンシャル開花か?
現役屈指のダンカーとして知られるオーランド・マジックのアーロン・ゴードンが、キャリア394試合目で初のトリプルダブルを達成した。
ゴードンは現地28日に行われたミネソタ・ティンバーウルブズ戦で17得点、12アシスト、11リバウンドをマーク。12アシストはゴードンの自己ベストとなる。
またゴードンは、僅差で迎えたクラッチタイムでマリック・ビーズリーのレイアップを背後からブロックするなど、守備面でもビッグプレイを決め、マジックの勝利に大貢献した。
▼テレンス・ロスへのアシストでトリプルダブル達成
ゴードンがついに進化?
ゴードンは派手なハイライトダンクだけの選手じゃない。跳躍力はもちろん、サイズやアジリティなども含めて基本スペックが極めて高く、パスセンスもある。3年ほど前から「今年こそは大ブレイクするだろう」と言われ続けてきたが、これまでそのポテンシャルをなかなかフルに開花できずにいた。
超人的な身体能力を持ちながらも、ゴードンはシューティングファウルを稼ぐのが得意ではない。今季のフリースロー試投数では、1試合にFGアテンプト数12本以上を平均する88選手の中で、60位となる3.4本。
ゴードンのドローファウルが少ない理由の一つは、ポストアップやアイソレーションなどから攻める場合、パワープレイではなく、難しいミドルレンジのフェイダウェイを好んで打ってしまうところにあるだろう。「これほどパワフルな選手が、わざわざリムから遠ざかるようなショットを打ちまくるべきじゃない」、ゴードンのオフェンスゲームに対してよく聞かれる批判の一つだ。
ゴードンが目指したい選手のタイプは、レブロン・ジェイムスやマイケル・ジョーダンのようなオンボールでゲームを支配する絶対的なエースなのだろう。バスケットボールプレイヤーなら誰もがそうなりたいと思うはず。ただ、すでに多くのNBAアナリストたちから指摘されてきたことだが、ゴードンのスキルセットが最大限に活きるのは“究極のロールプレイヤー”としてだろう。
手本にすべきは、レブロンではなくドレイモンド・グリーン。ピック&ロールでは、ボールハンドラーではなく主にスクリーナーを務め、アグレッシブにロールしつつディフェンスを引き付けてパスをさばく。スポットアップのオープンスリーは躊躇なく放つ。ボールを持つ機会が減る代わりに、守備やオフボールオフェンス(スクリーンやオフェンスリバウンド)といった裏方役に死力を尽くす。ゴードンは1番を守れる機敏さと、5番にスイッチできるパワーを持ち合わせた選手だと思う。
ゴードンをこういった形で起用するには、それなりのチーム構成が必要。今季前半のマジックでは、ジョナサン・アイザックとポジションがかぶり過ぎていた気がする。ただ最近のゴードンは、理想的なプレイスタイルにかなり近づいてきた印象だ。
2月のゴードンは、11試合で19.6得点、9.6リバウンド、5.6アシスト、スリー成功率41.2%を平均。リムと3Pラインからの効率的なショットが増え、オフェンスリバウンドの数字も上がっている。
マジック7位浮上
この日のマジックはゴードンの他、テレンス・ロスがシーズンハイの33得点(第4Qだけで19得点!)、ニコラ・ブーチェビッチが27得点、10リバウンドのダブルダブルを記録。連勝を3に伸ばし、イースト7位に浮上した。
ボックススコア:「NBA」