ブルックリン・ネッツ、トレードでジェイムス・ハーデン獲得
NBAでは現地1月13日、4チームの間で超大型トレードが成立。ブルックリン・ネッツが将来のアセットをほぼ総放出して、ジェイムス・ハーデン獲得に成功した。
ハーデン、ケビン・デュラント、カイリー・アービングのスーパービッグスリーの誕生だ。
ネッツはハーデン獲得のため、以下の選手/ドラフト指名権を放出。
- キャリス・レバート、ジャレット・アレン、トーリアン・プリンス、ローディアンズ・クールッツ
- ドラフト1巡目指名権3つ(2022、2024、2026)
- ドラフト1巡目スワップ権利4つ(2021、2023、2025、2027)
ネッツが手放したドラフト指名権とスワップ権利は、すべて保護なしだという。
ネッツのポテンシャルは?
もしすべてが上手くいけば2~3連覇も十分に可能なダイナスティ。一方で怪我やケミストリーの問題で歯車が狂えば再び暗黒期に突入。ネッツにとっては、かなりハイリスク・ハイリターンなトレードだ。
ネッツがアセットを放出し過ぎたかどうかは置いといて、イースタンカンファレンスに超強豪チームが誕生したのは間違いない。デュラント、ハーデン、アービングのトリオは、個々のオフェンス力だけを見ればNBA史上最強のビッグスリーだと言えるだろう。
3人ともシュート、ドリブル、パスの三大要素をエリートレベルでこなせる万能選手。特にアイソレーションでの得点力は、デュラント、ハーデン、アービングが現NBAのトップ3だと思う。
リーグ屈指の1on1スコアラー/シューターが同時にフロアにいるとか、相手チームにとっては悪夢以外の何ものでもない。デュラントのポストアップや、ハーデンのアイソなど、ダブルチームが必須な状況でも簡単に動けなくなる。
「エース級の3人がボールを奪い合うのでは?」という懸念はもちろんあるが、その辺りは問題なく機能するはず。
まずデュラントは、スクリーンをくぐってキャッチ&シュートを高確率で決めるプレイなど、オフボールスキルも昔から極めて高い。
▼KDのオフボールオフェンス
アービングは、キャブス時代にレブロン・ジェイムスのサイドキックとして優勝経験がある。またハーデンは、ここ数年でアイソレーションのイメージが定着しているが、OKC時代やロケッツ初期はオフボールプレイヤーとしてもとても優秀だった。
その一方で、ネッツの問題はディフェンス。特にジャレット・アレンを放出したことで、“センターポジション”の選手がディアンドレ・ジョーダンのみとなり、リム守備がかなり手薄になる。
トレード詳細
今回の超大型トレードでは、ネッツとロケッツに加え、インディアナ・ペイサーズとクリーブランド・キャバリアーズもエントリー。ペイサーズがビクター・オラディポ放出でネッツのレバートを獲得し、キャブスはダンテ・エグザムとドラフト指名権の見返りとしてアレンとプリンスの2選手をチームに迎えた。
「ハーデントレード」で各チームが獲得した選手/アセットは以下の通り:
- ネッツ:ジェイムス・ハーデン
- ロケッツ:ビクター・オラディポ、ダンテ・エグザム、ローディアンズ・クールッツ、ドラフト1巡目指名権4つ(1つはバックスの2021年1巡目)、スワップ権利4つ
- ペイサーズ:キャリス・レバート、ドラフト2巡目指名権
- キャブス:ジャレット・アレン、トーリアン・プリンス
個人的に今回のトレードは、ペイサーズが大勝利した印象。契約最終年のビクター・オラディポを放出して、2023年までギャランティのキャリス・レバートを獲得した。
ペイサーズとしては、来夏FAで何の見返りもなしにオラディポを失うリスクを回避。同時に、ドマンタス・サボニスやマルコム・ブログドンらチームコアとより年齢の近い、オラディポと似たようなスキルセットを持つガードを獲得できた。
参考記事:「NBA」