マブスが4年ぶりのポストシーズン白星、LACから大金星でシリーズタイに
現地19日、ダラス・マーベリックスがロサンゼルス・クリッパーズとのウェスト第1ラウンドシリーズ第2戦に127-114で快勝。シリーズを1勝1敗のイーブンに持ち込んだ。
マブスがポストシーズンに白星を獲得するのは、ダーク・ノビツキーがエースだった2016年ウェスト第1ラウンド以来4年ぶりとなる。
この日のマブスは、今季リーグ首位を誇るオフェンスが序盤から爆発した。強力なロングレンジでフロアスペースを広げつつ、ガード陣がドライブから手薄になったクリッパーズのインサイドを切り崩しまくって主導権を掌握。特に、ルカ・ドンチッチは前半だけで22得点/7アシストをあげる活躍ぶりだった。
後半に入ってからは、絶好調だったドンチッチがファウルトラブルに陥り、出場時間が大幅に制限されるが、マブスはベンチユニットがステップアップして勢いをキープ。
ドンチッチが第4Q開始早々に5つ目のファウルでベンチに下がった後も、セス・カリーやトレイ・バークら控えガードが大奮闘を見せ、クリッパーズの終盤の反撃を退けた。
▼兄カリーのようなプレイ
これでマブスは、今季レギュラーシーズンのマッチアップで全敗していた天敵クリッパーズからついに初勝利を獲得(シーズン通算1勝4敗)。ドンチッチが28得点/8リバウンド/7アシスト、第1戦で退場処分となったクリスタプス・ポルジンギスが23得点でチームを牽引した。
ディフェンス・リバウンドが頼りないと言われ続けてきたポルジンギスだが、この日の試合では相手選手をしっかりとボックスアウトしていた印象。ボックススコアだけを見ればそれほど大した数字ではない(7リバウンド)かもしれないが、マッチアップしたイヴィチャ・ズバッチのオフェンスリバウンドを0本に抑えている。
ドンチッチの他のガード/ウィング陣では、ティム・ハーダウェイJr.が17得点、トレイ・バークが16得点、セス・カリーが15得点を記録。さらにボバン・マリヤノヴィッチが10分の出場で13得点/9リバウンドと奮闘し、マブスはルー&ハレルのいるクリッパーズをベンチ得点(47-37)で上回った。
▼試合後のインタビューでのボバンがかわいかった
ルカが再び偉業
今季がキャリア初のNBAプレイオフとなるドンチッチは、初戦での42得点と合わせて、シリーズ最初の2試合で合計70得点を獲得。ESPNによると、ポストシーズンデビュー2試合で70得点以上をマークした選手は、1949年のジョージ・マイカン(75得点)に次いで、ドンチッチが史上2人目だという。
時代によって試合のテンポなどが大きく異なるため、単純に比較するのは難しいが、ウィルト・チェンバレンやマイケル・ジョーダン、レブロン・ジェイムスらを上回るペースでプレイオフ得点を積み上げているというのは凄すぎる。
▼プレイオフデビュー2試合における通算得点
プレイヤー | 得点 | |
---|---|---|
1 | ジョージ・マイカン | 75得点 |
2 | ルカ・ドンチッチ | 70得点 |
3 | カリーム・アブドゥル・ジャバー | 69得点 |
4 | クリス・ポール | 67得点 |
5 | ボブ・レイニア | 65得点 |
LACは守備アジャストが必要?
一方で敗れたクリッパーズは、カワイ・レナードがゲームハイ35得点/10リバウンドのダブルダブル、ルー・ウィリアムズが23得点/7アシストで奮闘。チーム全体ではスティール4本、ブロック2本と守備でのスタッツが稼げず、スリー成功率も30%未満(34本中10本)と低調だった。
レギュラーシーズンではマブスオフェンスを的確に封じ込めていたクリッパーズだが、この日の第2戦では“らしくない”ほど守備が脆弱だった印象。マブスのスリーを警戒しすぎるあまり、ヘルプのローテーションが上手く機能せず、ペイントエリアを好き放題に攻められていた。
またペリメーター守備では、マブスのピック&ロールに対してオールスイッチしていたため、ミスマッチが多発。ルー・ウィリアムズやレジー・ジャクソンら守備の苦手な選手がドンチッチにスイッチすることになり、そこから切り崩されるパターンが多かったと思う。
なお守備に定評のあるパトリック・ビバリーは、ふくらはぎの負傷で第2戦を欠場。クリッパーズ・ディフェンスにおけるビバリーの存在感はやはり大きい。
そもそもシリーズ2試合では、マーカス・モリスがドンチッチとのマッチアップを主に担当している。本来ならば、カワイ・レナードもしくはポール・ジョージをドンチッチにぶつけるべきかもしれない(試合終盤はレナードがマークしていたけど)。
第3戦では、ドック・リバースHCがどのような守備アジャストを仕掛けてくるか?
ボックススコア:「NBA」