マイケル・ポーター・Jrがナゲッツと5年マックスの延長契約へ、最大で2億700万ドル
デンバー・ナゲッツとフォワードのマイケル・ポーターJr.が5年の延長契約で合意した模様。ポーターJr.のエージェントが現地27日に明かした。
チームからの正式発表はまだだが、ESPNによると、延長契約の内容は5年/1億7200万ドルで2022-23シーズンから施行。ルーキースケールからの延長契約としてはマックスサラリーだ。さらにもしポーターJr.が今季にオールNBAチームに選出されれば、デシグネイテッド・プレーヤー(特定選手)の条件を満たせるので、契約金は30%マックスの2億700万ドルに跳ね上がる。
2018年ドラフト14位指名のポーターJr.は、腰の怪我のためルーキーシーズンを全休。2年目もプレイタイムが制限されていたが、3年目の昨季に大躍進を遂げ、61試合で19.0得点、7.3リバウンドを平均。2020-21MIP投票ではジュリアス・ランドルとジェレミー・グラントに次ぐ3位の票数を得た。
なお2018年ドラフト組からマックスサラリーでの延長契約を獲得したのは、ルカ・ドンチッチとトレイ・ヤング、シェイ・ギルジアス・アレクサンダーに続いて、ポーターJr.が4人目。この4選手の中で、ドンチッチだけはすでにデシグネイテッド・プレーヤーの条件をクリアしているため、5年/2億700万ドルのスーパーマックスが確定している(他の3人は今季にオールNBAチーム入りを逃せば5年/1億7200万ドル)。
ドンチッチ、ヤング、SGAの3選手は、すでにそれぞれのチームで絶対的エースのポジションを確立させている。その一方でポーターJr.は、今のナゲッツでニコラ・ヨキッチとジャマール・マレーに次ぐ3番手だ。
昨季までの成績や怪我歴だけを考えると、マックスサラリーに相応しいかどうかは疑問の残るところだが、将来的にスター級の選手へと進化する可能性を秘めているのは間違いない。
▼2021年4月のロケッツ戦でキャリアハイ39得点
オンボールでのプレイメイクにやや乏しいポーターJr.だが、23歳にしてすでに現役トップクラスのロングレンジシューター。昨季は3P成功率でリーグ9位となる44.5%を記録した。どんなディフェンダーが目の前にいようと難なくシュートを放てる身長(208cm)とボディバランスを持つ選手だ。
また守備面でも、デビュー当初は完全にチームのウィークポイントとなっていたが、昨季終盤には平均以上のディフェンダーへと成長(特にヘルプDが良)。いずれは「長身のクレイ・トンプソン」的な究極の3&D選手になるかもしれない。
ナゲッツの今後
これでナゲッツは、2022-23シーズンからニコラ・ヨキッチとジャマール・マレー、ポーターJr.の3選手がマックス契約下。今のリーグでマックス契約のビッグスリーを抱えているのは、ブルックリン・ネッツ(KD、ハーデン、アービング)、ロサンゼルス・レイカーズ(レブロン、AD、ウェストブルック)、ゴールデンステイト・ウォリアーズ(カリー、トンプソン、ウィギンス)の3チームのみだ。
また今オフのナゲッツは、アーロン・ゴードンとも4年/9200万ドルの高額サラリーで延長契約。さらに2022年オフには、ヨキッチが5年/2億4100万ドルというNBA史上最高額でのスーパーマックス延長契約を結ぶ権利を得る。
予想される2022-23ナゲッツのチームサラリー総額は約1億5600万ドル。2009-10シーズン以降で初めてラグジュアリータックスを支払うことになるのは不可避で、その後もタックスライン超過(もしくはリピータータックス)の状態がしばらく続く見込みだ。
ナゲッツは1976年のNBA加入から、まだ1度も優勝経験がない。ヒートやキャブス、ウォリアーズなど近年のスーパーチームと比べて、ヨキッチ/マレー/ポーターJr.のビッグスリーは少し物足りないかもしれないが、そこにゴードンを加えると超強力な4メンコアとなり、今後リーグ制覇を狙うには十分な戦力だろう。しかも4人は23~26歳と年齢も近く、MPJの成長次第では、2020年代NBAの覇権を担うようなチームになれるかもしれない。
2021-22シーズンのナゲッツは、ジャマール・マレーが前十字靭帯断裂のリハビリでシーズンの大部分を欠場する見込み。ボールタッチが確実に増えるポーターJr.がオンボールでどんな活躍を見せるのか楽しみだ。
参考記事:「ESPN」