ラプターズが第4戦に圧勝、シリーズ2勝2敗のイーブンへ
今年のイースト決勝は、4試合を終えた時点で得失点差がわずか6点の白熱したシリーズとなっている。
NBAでは現地21日、スコシアバンク・アリーナでトロント・ラプターズとミルウォーキー・バックスがカンファレンスファイナル第4戦を戦い、ラプターズが120-102で圧勝。0勝2敗からホームで2連勝をあげ、シリーズをタイに持ち込んだ。
第4戦でのラプターズは、まさに理想的な試合内容だったと思う。ボールムーブメントやカットが盛んで、ロールプレイヤーたちも高確率でオープンショットに成功。相手チームのトランジションオフェンスを制限しつつ、ディフェンスリバウンドをきっちりと抑え、守備を直接攻撃に変えるようなプレイができていた。
この日は特にベンチユニットがステップアップ。サージ・イバカが17得点/13リバウンド、ノーマン・パウエルが18得点をあげた他、ポストシーズンに入ってから不調続きだったフレッド・バンブリートが13得点/6アシストで大活躍し、ベンチ得点48-23でバックスを上回っている。
▼ハイライト
ラプターズはベンチの他に、カイル・ラウリーがチームハイの25得点、カワイ・レナードが19得点/4スティールをマーク。第1Q終盤にリードを奪うと、後半からは最後まで2ゴール差以上を保ったまま完全に主導権を握り、この日はレナードがベンチに下がった時間帯も勢いを失わなかった。
またマルク・ガソルは第3戦と同様に序盤から積極的にオープンスリーを打ち、17得点、7アシスト、5リバウンドのオールラウンドパフォーマンスで勝利に貢献。第3Q序盤にはレナードとのツーマンゲームでガソルのパスセンスが光った。
▼アグレッシブなボールディナイを続けるミドルトンを逆手に取る形でバックドアカット
敗れたバックスは、クリス・ミドルトンがFG15本中11本成功からゲームハイの30得点、7アシストで大奮闘。ヤニス・アデトクンボが25得点、ニコラ・ミロティッチが11得点を獲得したが、二桁得点に到達したのはこの3選手のみで、ラプターズの好守備に苦戦して本来の強みである選手層の厚さを発揮できなかった。
これでラプターズとバックスのシリーズは振り出しに戻った。状況的には残り3試合中2試合でホームゲームを有しているバックスが有利なのは確かだが、勢いはラプターズにある。
バックスが再びシリーズの流れを引き寄せるための課題は、まずアデトクンボがカワイ・レナードのマークに対して突破口を見出せるかどうか。第4戦ではFG成功率50%以上から25得点と上々のスタッツを記録したアデトクンボだが、レナードが直接マッチアップしたポゼッションではFG7本中3本の7得点と、第3戦同様に苦戦している。
それから守備面の改善。今季レギュラーシーズンのバックスは、「リムを封鎖する」「ファウルをしない」「ディフェンスリバウンドを抑える」の3点を徹底してリーグ首位の守備力を誇ったが、この日の試合ではそのすべてを攻略されてしまった。
バックスとラプターズのシリーズ第5戦は、現地23日にファイサーブ・フォーラムで行われる。
ボックススコア:「NBA」