【2018ファイナル第1戦】ウォリアーズがOTを制して先勝
NBAでは現地5月31日、ゴールデンステイト・ウォリアーズとクリーブランド・キャバリアーズが4年連続でトロフィーを争う2018年ファイナルが開幕。オラクルアリーナで行われた第1戦は、オーバータイムに及ぶ死闘の末、ウォリアーズが124-114でシリーズ先勝をあげた。
この日の第1戦は、いろんな意味で頂上決戦に相応しい白熱した試合となった。
まず特筆すべきは、レブロン・ジェイムスが見せた圧巻のパフォーマンスだろう。試合には敗れたものの、47分30秒の出場で32本中19本のFG成功からプレイオフ自己最多となる51得点を記録。ウォリアーズがどんな守備を仕掛けても、その一歩先を行くようなオフェンスを披露した。
アシストは8本で二桁に届かなかったが(それでも十分凄いが)、それはチームメイトがオープンスリーを沈められなかった部分も大きい。これまで歴代屈指の輝かしいプレイオフキャリアを送ってきたレブロンだが、オフェンス面だけを考えれば、その中でも一二を争うパフォーマンスだったようにも思える。
試合は、第2Q中盤で11点リードを奪ったキャブスに対し、ウォリアーズは16-5のランで反撃。前半最後のポゼッションでは、ステフィン・カリーがブザービーターのスリーを沈め、ハーフタイムで同点に持ち込む。
https://twitter.com/NBA/status/1002371551654752258
後半は、何度も突き放そうとするウォリアーズに対して、キャブスが終盤まで僅差で食い下がる展開となり、103-102で迎えた第4Q残り50秒にレブロンがカウント・ワンスローのレイアップをねじ込んで逆転。敵地で番狂わせを演じるまであと一歩だったが、そこからイレギュラーなハプニングがいくつかあり、キャブスは勝利を逃すこととなる。
ブロッキングファウル
まず一つ目は、レブロンに対するファウルコールだ。
残り時間36秒でケビン・デュラントがドライブを仕掛けた際に、レーンで待ち構えていたレブロントと衝突。最初はベースラインの審判によりチャージングがコールされたが、映像レビューの結果、判定が覆ってレブロンのブロッキングファウルとなり、デュラントに2本のフリースローが与えられた。
この角度から見ると、レブロンはコンタクトの際にまだ体をスライドさせているようなので、結果としてブロッキングファウルが正しいコールだったように思える。
ただ通常チャージングのコールでプレイレビューが入るのは、ディフェンダーがノーチャージエリアにいたかどうかの判定が難しい場合のみで、今回のようにディフェンダーがサークルの外にいたのが明らかだったにもかかわらず、レビューがトリガーされて判定が覆るのは極めてレアなケース。なので、そもそもレビューするのがおかしいとファンたちの間で物議を醸した。
なお今季には、ポール・ジョージの古巣初凱旋だった12月のペイサーズ対サンダー戦で同じような判定があった。
スミス、バグる
このコールリバースにより、デュラントがフリースローを2本沈めて同点となった試合は、さらに残り時間23秒にカリーが3点プレイのレイアップに成功して、ウォリアーズが逆転。それでもキャブスは残り4秒にジョージ・ヒルがファウルをドローし、勝利のチャンスを手にする。
だが今度もゲームはキャブスの思うように運ばない。ヒルは1本目のフリースローを決めて同点に持ち込んだが、惜しくも2本目に失敗。するとJ.R.・スミスがヒルのミスからオフェンスリバウンドを押さえる超ファインプレイを見せるのだが、そのままなぜかドリブルでハーフコートあたりまで走り出してしまったため、時間切れとなった。どうやらJRはキャブスがリードしていたと勘違いしたようだ。
▼敵味方共にあ然…
▼試合を観ていたNBA選手たちの反応
「1点リードしていると思ったのか?」
-ダーク・ノビツキー
「マジかJR。それとレブロンが50点行きそう」
– C.J.マッカラム
https://twitter.com/boogiecousins/status/1002391449231474688
https://twitter.com/paulpierce34/status/1002391491128410112
「JR酔っぱらってる」
– デジャンテ・マレー
https://twitter.com/Enes_Kanter/status/1002391429979754502
「嘘だろ」
– エネス・カンター
レギュラーシーズンの試合ならまだいいが(良くはないけど)、これは1年で最も大事なNBAファイナルの初戦。敵地での勝利が必須となる挑戦者のキャブスにとっては、許されないミスだ。
残り3秒でほぼディフェンダー全員がバスケットの方向を向いており、絶好調のレブロンが3Pラインで完全ノーマークだったのがさらに惜しい。ウォリアーズにとってはまさに幸運。
勝てるチャンスを投げ捨てるような形になったものの、このプレイがキャブスの最大の敗因になったわけでは決してない。
まずFT成功率8割のヒルが2本目のフリースローを決めていれば、JRが近年ファイナルで最悪の珍プレイをすることもなかった。そもそもあの状況でオフェンスリバウンドを獲得し、タイムアウトが残っていたウォリアーズに決勝点のチャンスを与えなかったことを考えれば、それだけでファインプレイだったとするべきなのかもしれない。ESPNのbrian windhorst記者によると、試合後のキャブスは、JRのミスよりも、レビューで覆ったブロッキングファウルに腹を立てていたという。
ただこういったチンプンカンプンなプレイがチームの士気を下げてしまう場合があるのも事実で、オーバータイムでのキャブスは攻守両方で完全崩壊。OT開始から3分半で12連続得点を奪われ、レブロンのキャリアナイトは黒星に終わった。
先勝をあげたウォリアーズは、ステフィン・カリーが29得点/9アシスト、ケビン・デュラントが26得点、クレイ・トンプソンが24得点、ドレイモンド・グリーンが13得点/11リバウンド/9アシスト/5スティールを記録。ビッグ4が大活躍した他、ショーン・リビングストンがベンチから10得点で勝利に貢献している。
▼OTを圧倒
ボックススコア:「NBA」