レイカーズとウィザーズがトレード合意、ラッセル・ウェストブルックがLAへ
2021NBAドラフト当日に、ドラフトよりも注目を集めた一報。レブロン・ジェームズが3度目の“ビッグスリー”結成だ。
ESPNによると現地7月29日、ロサンゼルス・レイカーズとワシントン・ウィザーズがトレードに合意。レイカーズはカイル・クーズマ、ケンテイビアス・コールドウェル・ポープ、モントレズ・ハレルの3選手と2021年ドラフト全体22位指名権を放出し、ウィザーズからラッセル・ウェストブルック、2024年と2028年のドラフト2巡目指名権を獲得する。
トレードが正式に成立するのは、来季サラリーキャップが確定する8月6日以降なので、それまでに今回のトレードパッケージが変更となる可能性はある。
LAビッグスリー
昨季のウェストブルックは、65試合で22.2得点、11.7アシスト、11.5リバウンドを平均し、キャリア4度目のシーズントリプルダブルという前代未聞の偉業を達成。レイカーズはアセットを総放出することで、レブロン、アンソニー・デイビスに次ぐ第3のスーパースターを獲得した。
来季のレイカーズは、最強のトランジションオフェンスチームになるだろう。レブロンとウェストブルック、デイビスが全力で走る速攻を止められるチームなんて存在しない。
懸念されるのはハーフコートオフェンスでのスペーシング。レブロンが司令塔を務めるラインアップで、ウェストブルックがどんな役割を果たせるか?
ウェストブルックはスリーやオフボールオフェンスがあまり得意ではない。カッターやスクリーナーとしては優秀なはずだとOKC時代から言われ続けてきたが、ロケッツでもウィザーズでもその一面を発揮することはなかった。もしレイカーズがこれまでと同じくリムランナーをセンターにしてデイビスを4番に置くビッグラインアップをメインで展開するなら、インサイドで大渋滞を起こすことになり、レブロンやデイビスのポストアップが難しくなるかもしれない。
フィットの面でいくつか不安な部分があるのを考慮しても、レブロン、AD、ウェストブルックが同じチームでプレイするという驚愕の事実。超強力なビッグスリーであり、多少の弱点を物ともしないスターパワーがある。スペーシングの問題にしても、デイビスをセンター、レブロンをパワーフォワードに置くスモールラインアップを軸にするなら解消されるはずだ。来季レイカーズのハーフコートオフェンスについては、サポーティングキャスト次第となる。
ただ問題は、今回のトレードでレイカーズがキャップスペース地獄に突入しまうところ。
現時点でのレイカーズは、来季契約が保証されている選手がレブロン、デイビス、ウェストブルック、マルク・ガソル、アルフォンゾ・マッキニー(チームオプション)の5選手のみ。ビッグスリーの年俸だけで1億2000万ドルを超える。
アーリーバード権利を持つFAのアレックス・カルーソ、タレン・ホートン・タッカー、マーキーフ・モリスとはキャップスペース上限を超えて再契約できるが、そこから先はミッドレベル条項、もしくはミニマム契約だけで残りのロスターを埋めなければならないという厳しい状況だ。
もちろん優勝候補のステータスとレイカーズのブランド力があるので、ミニマム契約でも構わないとする有力なベテラン選手はそれなりにいるだろう。来季レイカーズがどんなロスターになるのか想像できないが、ビッグスリーのコアを最大限に活かすにはもっとシューティングが必要なのは間違いない。
参考記事:「ESPN」