デマー・デローザンが今夏FAについて言及「ゴールは優勝を目指すこと」
昨季いっぱいで契約が終了し、今オフシーズンに制限無しFAとなるデマー・デローザン。
ラプターズにいた頃はバリバリのスコアラーだったが、2018年にカワイ・レナードのトレードでサンアントニオ・スパーズへと移籍してからはプレイメイカーとしてのスキルを伸ばし、2020-21シーズンには平均21.6得点とキャリアハイの6.9アシストを記録した。
今でもオールスター級の選手であるデローザンだが、今年の8月で32歳。オールラウンダーとして成長したものの、モダンNBAのエリートウィングにとって必要不可欠なスキルである3ポイントショットが未だに弱いため、年齢も考慮すると、マックス契約を得るのは難しいように思える。正直、今夏のデローザンにどのチームからどんなオファーが提示されるのかまったく予想がつかない。
ただデローザン本人は、プロ13年目に臨む上で、年俸よりも優勝を狙える環境を優先したいと考えている様子。デローザンは現地26日、スポーツアナリストのシャノン・シャープのポッドキャスト番組に出演し、自身の去就について語った。
「今は何よりも優勝したい。僕は来季でプロ13年目。その間に多くの選手たちがチャンピオンシップを争うのを見てきた。『お金』と『チャンピオンシップ』を天秤にかけてできる限りバランスを取ることが大事。でも今の僕は『チャンピオンシップ』に針が傾くべきだと思う。幸運にも、僕はこれまでにたくさんのお金を稼ぐことができた。最終的なゴールは、常に優勝することなんだ」
このコメントを見る限り、デローザンがスパーズと再契約を結ぶつもりはなさそう。スパーズにとっても、デローザンとの(高額サラリーでの)再契約は、本格的な再建が先延ばしになるだけだ。
▼デマー・デローザン2020-21シーズン
デローザンが希望する移籍先の一つとして報じられているのは、ロサンゼルス・レイカーズだ。
デローザンはコンプトン出身で、コービー・ブライアントに憧れて育った世代。同日のインタビューでも、「もし彼ら(レイカーズ)が僕を欲しがってくれるなら素晴らしい機会になる」とコメントしている。
「『地元のプロチームでプレイしたいか?』と質問したとして、ノーと答える子供なんていないよ。誰もが一度は故郷のチームでプレイしたいと思うだろう」
もしレイカーズがデローザン獲得に成功すれば、確実な戦力補強となる。デローザンがスリーに弱いため、スペーシング面でのフィットを懸念する声もあるが、アンソニー・デイビスが5番、レブロン・ジェームズが4番に入るスモールラインアップでは全く問題ないだろう。何よりもレイカーズにとっては、レブロンがベンチにいる時間帯にオフェンスを指揮できる選手を手に入れられる。
ただ問題は、今オフのレイカーズにキャップスペースの余裕がないところ。現時点では、FAでデローザンにオファーできる最高額は、ミッドレベル例外条項の950万ドル。昨季年俸が約2800万ドルだったデローザンが、約3分の1となる大幅なサラリーカットを受け入れるかどうか。
スパーズとサイン&トレードでデローザンを獲得するという選択肢もある。ただその場合、来季レイカーズはハードキャップになるため、その後の戦力補強が難しくなってしまう。
なお今夏FAでデローザンに高額契約をオファーできる余裕があるチームは、ニューヨーク・ニックスやダラス・マーベリックス、シカゴ・ブルズなど。デローザンの去就に注目したい。
参考記事:「Yahoo Sports」