グリズリーズがOT戦でウォリアーズ撃破、ウェスト8位シードでプレイオフ進出へ
NBAでは現地21日、メンフィス・グリズリーズとゴールデンステイト・ウォリアーズが8位シードをかけたプレイ・イン・ゲームを対戦。オーバータイムに及ぶ激闘の末、グリズリーズが117-112でウォリアーズを下し、プレイオフ進出を決めた。
グリズリーズがポストシーズンに駒を進めるのは、マーク・ガソルやマイク・コンリーがチームを率いた2016-17シーズン以来で4年ぶりとなる。
この日のグリズリーズは、昨季新人王のジャ・モラントが46分の出場で35得点、6アシスト、6リバウンド、4スティールの大活躍。苦手なスリーポイントショットも10本中5本成功と絶好調で、これまでのプロキャリアで最も重要な一番で見事にエースぶりを発揮した。
グリズリーズはモラントの他、ディロン・ブルックスが14得点、カイル・アンダーソンが9得点、10リバウンド、6アシストをマーク。2人とも守備面でも素晴らしいパフォーマンスを見せ(特にブルックスはステフ・カリーのマークで奮闘)、オールラウンドにチームの勝利に大貢献した。
ヨナス・バランチュナスとジャレン・ジャクソンJr.の先発ビッグ2人は、どちらもファウルトラブルで出場時間が大幅に制限されたが、その代わりにセカンドユニットがステップアップ。この日のグリズリーズは、ベンチ得点40-27でウォリアーズを上回っている。
▼グレイソン・アレンもOTにステップアップ
モラントは試合後、番狂わせを演じてウェスト8位シードを奪取したことについて、「チームにとって大きな功績だが、まだ仕事は終わっていない」とコメント。「プレイオフ進出だけで満足するつもりはない。リーグ首位のユタとの対戦に向けて、気持ちを切り替えなくちゃ」と、キャリア初のプレイオフに向けた意気込みを語った。
ウォリアーズのオフシーズン
一方で敗れたウォリアーズは、ステフィン・カリーがゲームハイ39得点を記録。レギュラーシーズンをウェスト8位の成績で終えるも、プレイ・イン・トーナメントでプレイオフからはじかれるという残念な結果となった。ウォリアーズファンやTVスポンサーたちの中には、「プレイ・インいらない」と憤りを感じている人も多いことだろう。
ウォリアーズにとって、今年のオフシーズンは大きな分岐点となる。
今季は、カリーとドレイモンド・グリーンがそれぞれMVP/DPOYを狙える選手だということを再び証明。さらに2021-22シーズンには、クレイ・トンプソンが2年間の離脱から復帰する見込み。ウォリアーズとしては、生え抜きの“ビッグスリー”が全盛期の内にもう一度全力で優勝を狙いに行きたいところだ。
ただ問題の一つは、トンプソンの復帰後のコンディション。怪我前のパフォーマンスをどこまで取り戻せるか?
トンプソンは膝前十字靭帯断裂とアキレス腱断裂という最悪の怪我を連続で経験。似たような怪我歴で同じく2年近く離脱することとなったデマーカス・カズンズとジョン・ウォールは、スターダムから大きく外れてしまっている。
またウォリアーズは、主力4選手(カリー、トンプソン、グリーン、アンドリュー・ウィギンス)の年俸だけで来季サラリーキャップを超過している状況。なので今夏FAでの有力選手獲得は難しい。
現在ウォリアーズが保有する魅力的なトレードアセットは、2020年ドラフト2位指名のジェイムズ・ワイズマンにミネソタ・ティンバーウルブズの2021年ドラフト1巡目指名権(トップ3保護付き)。今オフに「ウィギンスとワイズマン、ウルブス指名権」をトレードでオファーすれば、大幅な戦力補強を望めるだろう。
2021プレイオフ
プレイ・イン・トーナメントが全日程を終え、ついにNBAプレイオフ2021のシーディングが確定:
個人的に、第1ラウンドで一番楽しみなシリーズは、イースト3位/6位のミルウォーキー・バックス対マイアミ・ヒート。この2チームはバブルでの昨季イースト準決勝で衝突し、ヒートが4勝1敗で勝利。バックスにとっては、リベンジのチャンスだ。
今季のバックスは、リーグ屈指の2ウェイガードであるドリュー・ホリデーを獲得。さらに昨季から守備戦略を変更し、スクリーンに対するスイッチ・ディフェンスをついに採用している。
またウェスタンカンファレンスで最も注目したいのは、2位/7位のフェニックス・サンズ対ロサンゼルス・レイカーズ。足首負傷によりシーズン途中で長期離脱したレブロン・ジェームズのコンディションが、シリーズの勝敗を握るカギとなりそうだ。
ボックススコア:「NBA」