アトランタ・ホークスが半世紀で2度目のイーストファイナル進出へ
アトランタ・ホークスが現地20日、ウェルズファーゴ・センターで行われたフィラデルフィア・76ersとのイースタンカンファレンス・セミファイナル第7戦に103-96で勝利。1勝2敗のビハインドから1位シード相手にシリーズ番狂わせを演じた。
ホークスがイースト決勝に進出するのは2015年以来6年ぶりで、ここ50年間で2度目。またオールスター選出者が1人もいなかったチームが、同じ年にカンファレンス・ファイナルまで進んだのは、1994年のインディアナ・ペイサーズ以来初だという。
この日のホークスは、先発SGのボグダン・ボグダノビッチが怪我のため出場時間制限。さらにエースのトレイ・ヤングがFG23本中5本成功と絶不調だったが、他のサポーティングキャストたちがステップアップして敵地で勝利をもぎ取った。
第7戦でのホークスは、ケビン・ハーターがチーム最多の27得点で大活躍。終盤には76ersの守備のウィークポイントであるセス・カリーをオンボールで攻めまくり、ゲームの流れを引き寄せた。
ハーターの他には、ダニーロ・ガリナリがベンチから17得点、ジョン・コリンズが14得点/16リバウンドのダブルダブルで勝利に貢献。シューティングで精彩を欠いていたヤングは、終盤の勝負所で大事なショットを決めて21得点/10アシストをマークしている。
一方で敗れた76ersは、ジョエル・エンビードが31得点/11リバウンド、トバイアス・ハリスが24得点、セス・カリーが16得点を獲得。ラスト1分のクラッチタイムでは、ターンオーバーや3pショットへのファウルなど攻守でメンタルミスが続いた。
シモンズ
今季レギュラーシーズンではカンファレンス1位。優勝候補の一角に数えられながらも、イースト・セミファイナルでは下位シード相手にシリーズ2勝1敗のリードから第4~5戦での大逆転負けを経て、ホームでの第7戦に敗北。
考え得る限り最悪の形でシーズンを終えることとなった今年の76ers。特に第7戦の直後は、「ベン・シモンズをトレードしろ」という声がネット上で加熱していた。
同シリーズでのシモンズは、7試合で9.9得点/8.6アシストを平均。ディフェンス面では活躍したが、その一方でハーフコート・オフェンスではダンカースポットに陣取るだけであまり貢献できず、わざとファウルしてフリースローを打たせる「ハック戦略」の餌食になってベンチに下がることもしばしば。第4戦~第7戦の4試合では、第4ピリオドに1本もフィールドゴールを決めていない。
さらにシリーズ7試合でのフリースロー成功率は45本中15本の33.3%。フリースローを恐れるあまりか、この日の第7戦の終盤には、イージーなレイアップをわざわざ見送ってパスを出してしまう場面があり、試合後に批判の的となった。
オフェンス面に限って見れば、シモンズは新人の頃からあまり成長していない。むしろプレイオフでは、キャリアを重ねる度に数字を落としている。
▼シモンズのプレイオフスタッツ
得点 | アシスト | リバウンド | FT成功率 | |
---|---|---|---|---|
2018 | 16.3 | 7.7 | 9.4 | 70.7% |
2019 | 13.9 | 6.0 | 7.1 | 57.5% |
2021 | 11.9 | 8.8 | 7.9 | 34.2% |
今のリーグで、ポイントガードがジャンプショットをまったく打てないというのは致命的。それがマックスサラリーの選手となればなおさらだ。ほんの半年前は、ジェイムス・ハーデンのトレードでセンターピースになれるとされていたシモンズだが、今季プレイオフを経てトレードバリューが暴落してしまった。
76ersとしても、エンビード&シモンズのスターデュオ体制に今度こそ限界を感じたかもしれいない。
ボックススコア:「NBA」