ついに本領発揮のアメリカが120-66でイランに圧勝、今大会初白星
まさかの黒星スタートとなった東京オリンピック男子バスケットボールのアメリカ代表が7月28日、さいたまスーパーアリーナでイラン代表と予選ラウンド第2試合を対戦。120-66のダブルスコアでイランを撃破し、圧倒的な実力を見せつけた。
この日のチームUSAは先発ラインアップを変更し、ドレイモンド・グリーンとザック・ラビーンの代わりにデビン・ブッカーとドリュー・ホリデーをスターター起用。優秀なシューター4人(デュラント、リラード、ブッカー、ホリデー)でバム・アデバヨを囲むフロアスペース重視のユニットで試合に臨み、アップテンポなバスケでイランを圧倒する。
序盤こそ食い下がっていたイランだが、アメリカは5点リードで迎えた第1Q残り4分から第2Q残り4分にかけて34-6のランを展開。前半の内にリードを30点に広げ、完全に主導権を握った。
デイミアン・リラードによると、アメリカ代表の選手たちは3日前にフランスに惜敗を喫して以降、ホテルや食事、練習で時間を共有し、声を掛け合うことで結束を強めたという。「今こそチームUSAらしくなるべき時だ」
アメリカは後半に入ってからも一切アクセルを緩めることなく、第4Qには最大でリードを57点に拡大。すでに勝利が確定していたラスト10秒にもフルコートプレッシャーでボールを奪いダンクを決めるなど、最後までキッチリとポイントを稼いだ(予選の得失点差がトーナメントに影響するため)。
ようやく“らしさ”を披露したチームUSAは、リラードが7本のスリー成功からゲームハイ21得点、ブッカーが16得点、ジェイソン・テイタムが14得点をマーク。この日はボールシェアも完璧で、チーム合計で34アシストを記録しながら、ロスター12選手全員が4点以上をあげるバランスの取れたパフォーマンスを見せた。
これぞグレッグ・ポポビッチHCが理想とするバスケットボール。ポポビッチHCは試合後、「このチームにヒーローは必要ない」とチームワークの大切さを語った。
「このチームにはNBAで20~25得点を取れる選手がたくさんいる。(オリンピックでは)そんな風にプレイできない。ここではある意味全員がロールプレイヤー。このチームにヒーローは必要ない」
これでアメリカは予選ラウンドで1勝1敗。万が一、次のチェコ戦(7月31日)に負けたとしても、これまでの得失点差を考慮すればすでにトーナメント進出は固いはずだ。
同日の他の試合では、グループAでフランスがチェコに97-77で圧勝。グループBでは、ドイツがナイジェリアに(99-92)、オーストラリアがイタリアに(86-83)それぞれ勝利した。
現時点で決勝トーナメント進出が確定しているのは、2勝0敗のフランスとオーストラリアの2チーム。29日には、Cグループの予選2試合(日本vsスロベニア、スペインvsアルゼンチン)が行われる。
ボックススコア:「FIBA」