【ファイナル第5戦】レブロンとアービングが82得点、キャブス快勝でシリーズ第6戦へ
現地13日にオラクルアリーナで行われたゴールデンステイト・ウォリアーズ対クリーブランド・キャバリアーズの2016NBAファイナル第5戦は、レブロン・ジェイムスとカイリー・アービングがそれぞれ41得点を獲得する記録的なパフォーマンスを披露。キャブスが112-97で快勝し、昨年と同様にシリーズを2勝3敗で第6戦に持ち込んだ。
ファイナルの試合で、同じチームの選手2人が同時に40点を超えたのは、この日がNBA史上初となる。
第5戦は、とにかくレブロンとアービングのショットメイキングが神懸っていた。
試合開始直後は、ペリメーターディフェンスの乱れやターンオーバーが何度かあり、最初の4分半で7点ビハインドに陥ったキャブスだったが、外のシュートが決まりはじめると、すぐにオフェンスのリズムが好転。ボールを持つたびに大ブーイングを浴びていたレブロンは、ドライブを警戒して離れて守ろうとするウォリアーズの守備に対し、ミドル~ロングレンジを高確率で沈め、序盤から勢いに乗る。
対するウォリアーズは、主力のドレイモンド・グリーンが不在という厳しい状況の中、立ち上がりからアウトサイドショットが好調で、最初の2ピリオドだけで21本中11本のスリーに成功。特にクレイ・トンプソンが前半25得点でチームを引っ張り、レブロンと壮絶な点の奪い合いを繰り広げ、試合は61-61の同点でハーフタイムに突入した。
後半に入ってからも、レブロンとアービングの勢いは一切衰えることなく、イン/アウトサイドからフィールドゴールを量産。キャブスは第3Q開始から8分間で24-14のランを仕掛けて10点リードを奪い、一気に主導権を掌握する。
ピリオド序盤にアンドリュー・ボガットをひざの怪我で失ったウォリアーズは、トリスタン・トンプソンにハック戦術を仕掛けるなど、何とか流れを変えようと試みるがうまくいかず、第3Q終了時点で9点ビハインド。第4Q開始直後には、ステファン・カリーがステップバックからスリーを沈めて、2ゴール差まで詰め寄るも、キャブスはアービングがピリオド中盤から10連続得点で試合をテイクオーバーして、さらにリードを拡大。残り時間3分には16点差を獲得し、シリーズを第6戦につないだ。
第4Qのウォリアーズはオフェンスが大失速し、10本中9本のスリーに失敗。ノーマークのショットさえもまったく入らなくなり、試合ラスト6分間はFG0本の1得点に終わっている。
Q1 | Q2 | Q3 | Q4 | ||
CLE | 29 | 32 | 32 | 19 | 112 |
GSW | 32 | 29 | 23 | 13 | 97 |
キャブスは、レブロンがFG30本中16本(スリー8本中4本)の41得点、16リバウンド、7アシスト、3スティール、3ブロック、2ターンオーバーと、NBAファイナルにおける歴代屈指の数字を記録。さらにリムプロテクションやトランジションでのチェイスダウンブロックなど、ヒート時代を彷彿とさせるダイナミックなディフェンスをみせた。やはり、ジャンプショットが完全に機能した時のレブロンほど恐ろしい選手はいない。
またアービングは、GSWのディフェンスをドリブルで切り抜けながら、信じられないようなタフショットを何本も沈め、フィールドゴール24本中17本に成功。プレーオフキャリア最多となる41得点、FG成功率70%、6アシスト、2スティールをマークしている。
▼アービング、第5戦ショットチャート
レブロンは試合後、この日のアービングのプレーについて、「今まで見てきた中でも最も素晴らしいパフォーマンスの一つだった」と大絶賛している。
敗れたウォリアーズは、トンプソンがチームハイの37得点、カリーが25得点、アンドレ・イグダーラが15得点、11リバウンド、6アシストを記録。どうやってもレブロンとアービングを止められず、前半はトンプソンのスリーで食い下がったが、後半になってシュートが決まらなくなると、一気にペースを握られてしまった(後半はスリー21本中3本)。
なお第3Qにひざを負傷し、チームスタッフに支えられながら途中退場したボーガットは、現地14日にMRI検査を予定している。
▼第5戦ハイライト
キャブスの生き残りをかけたファイナル第6戦は、現地16日にクイッケンローンズアリーナで行われる。
ボックススコア:「NBA」