イングラムとアデバヨがマックスサラリーでの延長契約に合意
NBAでは現地24日、ニューオリンズ・ペリカンズのブランドン・イングラムとマイアミ・ヒートのバム・アデバヨが、それぞれのチームとの延長契約に合意した。
ESPNによると、イングラムの契約は5年/1億5800万ドルのマックス(サラリーキャップの25%)。一方のアデバヨは5年/1億6300万ドルの延長契約で、5年目のオプション無し。もしアデバヨが2020-21シーズンにオールNBAチームもしくはDPOYに選出されれば、ボーナス加算で5年/1億9500万ドル(サラリーキャップの30%)に契約金が跳ね上がる。
昨シーズンのイングラムは、62試合でキャリアハイの23.8得点/6.1リバウンド/4.2アシストを平均。特にシュートの上達が目覚ましく、スリー成功率が一昨季の33%から39.1%、フリースロー成功率が67.5%から85.1%と大きく伸びている。
プレイオフ進出こそ成らなかったものの、イングラムはキャリア初のオールスター出場を果たし、2020年のMIPにも選出された。
アデバヨは2019-20シーズン72試合で自己ベストの15.2得点、10.2リバウンド、5.1アシストをマーク。イングラムと同じくオールスター初選出を果たした他、バブルでのプレイオフではチームの主力として、ヒートのファイナル進出に大貢献した。
アデバヨの5年/1億6300万ドルは、サラリーのトータルで見るとヒート史上最高の契約額となる。
2017年ドラフト組
今オフには他にも、ジェイソン・テイタム(セルティックス)とドノバン・ミッチェル(ジャズ)、ディアロン・フォックス(キングス)ら2017年ドラフト組の3選手が、次々と延長契約に合意した。
5年目がプレイヤーオプションということを除けば、3人ともアデバヨと契約内容は同じ。契約のベースは25%マックスの5年/1億6300万ドルで、もし来季にオールNBAチームに選出されれば、30%マックスの5年/1億9500万ドルになる。
ただフォックスだけ30%マックスの条件が異なり、来季オールNBAの3rdチーム選出だと1億7000万ドル、2ndチームなら1億8300万ドル、そして1stチーム選出でようやく1億9500万ドルへと辿り着く。
アデバヨ、テイタム、ミッチェルの3人は、オールNBAチームに入りさえすれば条件クリアだ。
何でイングラムだけ少ない?
今オフは、若手5選手がマックスでのルーキー延長契約を結んだわけだが、2017年ドラフト組の4人が5年/1億6300万ドルなのに対し、イングラムは5年/1億5800万。イングラムだけ契約金がちょっと少ない。
これは、イングラムが自らディスカウントを受け入れたり、足元を見られたりしたわけではなく、ただ単に次の契約が始まるタイミングの問題だ。
通常ルーキー契約からのマックス延長契約は、その年のサラリーキャップの25%が年俸。2016年ドラフト組のイングラムは来季から新契約スタートだが、一期後輩のテイタムやアデバヨらはその翌年の2021-22から延長契約が施行される。
2021-22シーズンのサラリーキャップは、コロナ禍が来年以降にさらに悪化でもしない限り、来季2020-21シーズン(約1億1000万ドル)よりも上昇する見込み。そのため、同じ年に延長契約を結んだのに、イングラムと他の4人では契約額に差が生じる。
またイングラムは、いわゆる“デリック・ローズ・ルール”(ルーキー契約下の4年間でMVP受賞、もしくは4年目にオールNBAチーム/DPOY選出)を満たせなかったため、他の4人のように30%マックスの対象にはならない。
▼ミッチェル、全身で喜び表す
今オフは他にも、ヤニス・アデトクンボとルディ・ゴベアがマックスサラリーでの延長契約の対象。しかも、2人ともサラリーキャップの35%で契約できるスーパーマックスの条件を満たしている。
もしどちらかが今オフ中に延長契約に合意すれば、5年/2億2000万ドル~2億5000万ドルというNBA史上最高額の契約誕生だ。
今年の延長契約の締切日は、シーズン開幕前日の12月21日。もしアデトクンボがそれまでに延長契約に合意しなかったら、リーグに激震が走る。
参考記事:「NBA」