ジェイソン・キッドが引退表明!!さよなら、Mr.トリプル・ダブル
ニューヨーク・ニックスのジェイソン・キッドが3日、19年に渡る輝かしいNBAキャリアに終止符を打つことを発表した。彼の芸術的なファースト・ブレイクを試合で見れる機会はもうない。
キッドはニックスが発表した声明文の中で、「これまで所属した4チームでの時間を振り返えると、全てのシーズンがなつかしく思い出される。一緒にコートに立った一人ひとりのチームメート、コーチに感謝している」と語った。
キッドが引退を宣言したのは、グラント・ヒルが引退を表明したわずか2日後のこと。同じ年にNBAデビューし、新人王賞を分け合った2人が、まったくの同時期に引退を決意したという事実は、どこか感慨深い。
デビュー以来、数々の功績を残し、常にNBA屈指の司令塔であり続けたキッド。すでに彼のバスケットボール殿堂入りは確実視されている。
ジェイソン・キッドのキャリアを振り返る
キッドは、合計で4つのチームでプレイした。
マブスからデビューし、新人王を獲得した後、サンズに移籍。次のネッツでは、弱小だったチームを2度のNBAファイナル進出に導いた。その後、再びマブスに移籍し、そこで念願のNBA制覇を果たす。そして、今シーズンからニックスの一員となった。
キッドは攻守共に超一流の選手で、19年の間に、「オールNBAチーム」に6回(ファーストチームが5回)、「オール・ディフェンシブ・チーム」に9回(ファーストチームが4回)、それぞれ選出されている。MVPを受賞したことは1度もないが、2001-02シーズンのMVP投票では、ティム・ダンカンに続く2位に選ばれた。
▼キッドのキャリアを表した1枚
キッドのキャリア通算平均成績は、12.6得点、8.7アシスト、6.3リバウンド、1.9スティール。1シーズンで20得点以上平均したことはなく、10アシスト以上平均したのも3回のみ。スタッツだけをみると、それほど突出したところがないように思われるが、平坦な数字だけではキッドの本当のすごさは決してわからない。
ジェイソン・キッドの偉業
歴代NBA選手のキャリア通算で、1万7000得点、1万2000アシスト、8500リバウンド、2500スティール以上を獲得したのは、ジェイソン・キッドだけである。
彼のアシスト数は1万2091で、ジョン・ストックトン(1万5806)に次ぐ歴代2位。シューターでないにもかかわらず、スリーポイントシュート成功数は、レイ・アレン、レジー・ミラーに次ぐ歴代3位という記録を残している。また、リバウンド数は8725本で、身長198cm以下の選手の間では歴代1位だ。
こんな風に考えると、キッドの偉大さがより伝わるかもしれない。キッドはキャリア通算で、マジック・ジョンソン(1万0141)やオスカー・ロビンソン(9887)よりもアシストを積み上げ、アロンゾ・モーニングよりも多くのリバウンドを獲得した。スティール数では、マイケル・ジョーダン(2514)やゲリー・ペイトン(2445)を上回っている。
▼ジェイソン・キッド、ルーキー時代のハイライト
さらに、キッドのトリプルダブル数は107で歴代3位。まさに類まれなオールラウンド・プレイヤーだった。
▼ジェイソン・キッド、アシストトップ10
参考記事:「bleacherreport.com」
Thumbnail:「by Keith Allison via Flickr」