アメリカ代表がエキシビションマッチ初戦でナイジェリア代表に敗北
オリンピック4連覇を狙うUSAバスケットボール2021がまさかの黒星スタートだ。
現地7月10日、FIBAランキング1位のアメリカと22位のナイジェリアがラスベガスで親善試合を対戦。ナイジェリア代表が90-87でアメリカ代表を破る大番狂わせを起こした。
エキシビジョンゲームだからといって、この日のチームUSAがそこまで手を抜いていたわけでは決してない。ケビン・デュラントやデイミアン・リラード、ジェイソン・テイタム、ブラッドリー・ビールら主力のスター選手たちは、それぞれ27分以上プレイしている。
ただロスター結成からわずか3~4日しか練習期間がなかったためか、まだ十分なチームケミストリーが構築されていない印象。ディフェンスではローテーションやクローズアウトがやや雑で、オフェンスでは個人技ばかりに頼る場面が多く見られた。
一方で、スーパースターはいないものの、現役NBA選手をロスターに7人有する今年のナイジェリア代表チーム。前回の対戦(2016年の親善試合)ではアメリカに66-110で大敗を喫したが、この日の試合ではフィジカルな守備とスリーポイントショットで活路を見出した。
▼ヒートのプレシャス・アチウワがモンスターブロック
第2Q残り5分で10点ビハインドを背負っていたナイジェリアだが、すぐに巻き返して接戦に持ち込むと、第3Q残り3分40秒にはチメジー・メトゥ(キングス)のスリーで逆転。その後もアメリカと互角以上に渡り合い、第4Q残り1分13秒には8点リードを奪う。
そこからアメリカの猛反撃を食らい、残り時間16秒で88-87の1点差にまで追い上げられたが、次のポゼッションでゲイブ・ビンセント(ヒート)がフリースローを2本ともきっちりと決め、再び3点リード。最後の守備では、セットプレイから同点弾のスリーを狙おうとするアメリカを阻止し、そのまま逃げ切った。
大金星をあげたナイジェリア代表は、マイアミ・ヒートのゲイブ・ビンセントがゲーム最多の21得点で大活躍。チーム合計で42本中20本のスリーを成功させた。
敗れたアメリカは、ケビン・デュラントが17得点、ジェイソン・テイタムが15得点、デイミアン・リラードが14得点を記録。ブラッドリー・ビールはFG7本中1本成功と精彩を欠き、25分の出場でわずか2得点に終わっている。
チームUSAがエキシビジョンゲームで敗北するのは、プロ選手参加が解禁となった1992年以降で、今回が3度目(通算54勝3敗)。
スター軍団を指揮するグレッグ・ポポビッチ代表HCは試合後、「ある意味、今日は負けて良かったとも言える。ただ、この敗戦から学べなければ何の意味もない。ここで何かを学ぶことが、今年のオリンピックトーナメントにおいて最も重要なことになるかもしれない」と前向きなコメントを残した。
ボックススコア:「FIBA」