ルカ・ドンチッチが自己最多46得点、ミドルレンジが強力な武器に
両チーム合計で270点を超えるハイスコアゲームとなった現地12日のダラス・マーベリックス対ニューオリンズ・ペリカンズ戦。ルカ・ドンチッチのキャリアベストなパフォーマンスにより、マブスが143-130でペリカンズを破った。
この日のドンチッチは、30本中17本のフィールドゴールを成功させて46得点をマーク。プレイオフも含め、ドンチッチの自己最多得点記録だ。
今季開幕からずっとスリーポイントショットに苦戦してきたドンチッチだが、この試合では8本中5本に成功と絶好調。たった1日でシーズン3P成功率が30.9%から32.3%に上昇している。
さらにキャリアハイ46得点に加え、12アシスト、8リバウンドを獲得。ドリブルでミスマッチを攻めまくってペリカンズ守備を切り崩しつつ、ヘルプやトラップが来れば的確にパスをさばくなど、完全にゲームを支配していた。
なおドンチッチは同日の試合で、キャリア通算4000得点を突破。ESPNによると、過去40年間でマイケル・ジョーダンとシャキール・オニールに次ぐ3番目の早さだという。
ルカの成長
今季のドンチッチはスリーこそスランプ気味なものの、大ブレイクした昨季から着実に進化している。特に「ミドルレンジゲーム」の成長が目覚ましい。
昨季までのドンチッチは、ペイントエリアとスリーが主な得点源であり、ミドルレンジはあくまで最終手段としていた印象。
実際にドンチッチのFGアテンプトの分布を見てみると、2019-20シーズンは:
- スリー39%(521FGA)
- リム33%(377FGA)
- ミドルレンジ28%(333FGA)
とジェイムス・ハーデンを筆頭とする「リムorスリー」重視のショットセレクションだった。
だが今季のドンチッチは、ポストアップからのフェイダウェイや、ドライブからのプルアップショットなど、いろいろな角度からミドルレンジを打ちまくっており、得点源が大きくシフトしている。
「Cleaning the Glass」にデータによると、ドンチッチの2020-21シーズンのショット分布は:
- ミドルレンジ43%(226FGA)
- スリー31%(182FGA)
- リム26%(137FGA)
しかも今季ドンチッチのミドルレンジショット成功率は49%と、極めて高水準。ケビン・デュラント(50%)やデマー・デローザン(49%)、カワイ・レナード(48%)らミドルレンジのスペシャリストと比較しても、アテンプト数と成功率の両方で遜色ない数字だ。
ドンチッチのミドルレンジゲームの進化は、昨季と今季のショットチャートを比較すれば一目瞭然:
▼2019-20
▼2020-21
昨季と比べて、2Pのショットレンジが外へと広がっている。
同日のペリカンズ戦でも、ドンチッチはミドルレンジからディフェンスを翻弄。例えば、ブレーキ力(減速力)を活かしたドライブからのステップバック・ロングツー:
さらに後半には、ダーク・ノビツキーのロゴから片足フェイダウェイを決めた:
同日はドンチッチの他、クリスタプス・ポルジンギスが8本のスリーを沈めて36得点の大活躍。連勝を4に伸ばしたマブスは今季成績を13勝14敗とし、ウェスト9位に浮上している。
一方で敗れたペリカンズは、ザイオン・ウィリアムソンが15本中14本成功から36得点で大暴れ。ショットミスしたのはスリー1本だけで、インサイドでは14本中14本のパーフェクトと、完全にアンストッパブルだった。
ペリカンズはザイオンの他、ブランドン・イングラムが30得点を記録している。
ボックススコア:「NBA」