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ブレイク・グリフィン ダンクコンテスト
2017 11 13

ブレイク・グリフィン、2011ダンクコンテストで「本当はオープンカーを飛び越えたかった」

ブレイク・グリフィン 0

当時ルーキーだったロサンゼルス・クリッパーズのブレイク・グリフィンが王者に輝いた2011年オールスターウィークエンドのダンクコンテスト。この日に最も話題になったのは、グリフィンが決勝ラウンドで披露した起亜自動車の「オプティマ」を飛び越えながらのツーハンド・アリウープダンクだった。

合唱隊によるR. ケリーの『I Believe I Can Fly』をBGMに、ケニー・スミスがマイクパフォーマンスで会場を盛り上げる中、グリフィンはチームメイトのバロン・デイビスがサンルーフから放ったバックボードパスを空中でキャッチし、最初のトライで見事ダンクに成功:

ファン投票の結果、グリフィンがこの年のダンク王者に輝いたわけだが、車のルーフではなく、最も低いボンネットの前方部分を飛び越えたこともあってか、コンテスト後に一部のファンやメディアの間で「物足りない」「マギーが勝つべきだった」など不満の声が浮上。ライブ中継で解説を務めていたチャールズ・バークレーは、「プレゼンはよかったが、ダンクはそれほど素晴らしいものではなかった。美人は頭が悪くても問題ない(見た目よければ全て良し)」とコメントし、さらに2010年ダンクコンテスト王者のネイト・ロビンソンも後日に「最初からブレイクが勝つように仕組まれていたんだ」と物申した。

このダンクに関しては、グリフィン本人もあまり納得がいっていないのかもしれない。コンテストから約7年が経った今、グリフィンは『SI』誌の特集記事の中で当時のことを振り返り、「実は違う車を飛び越えるつもりだった」と告白している。

「僕の計画では、チームメイト4人を乗せたオープンカーを飛び越えるはずだった。でもそのプランはNBAに潰されてしまったよ。彼らはKIAの車を使わせたがっていたんだ。リーグのスポンサーだからね。でもオプティマは大きな車だったから、ボンネットの上を飛び越えるのが精一杯だった。そのせいで、あのダンクはあまりクールに見えなかった」
– ブレイク・グリフィン

賛否両論あったものの、記憶に残るダンクコンテストになったことは間違いない。なお、それから間もなく、グリフィンは起亜自動車とスポンサー契約を結ぶことになるが、それはコンテストでKIAの車を使ったこととはまったく無関係だと弁明している。

※   ※   ※

若手の頃は主にダンカーとして知られていたグリフィンだが、年齢と共にプレイメイクやシュートレンジを上達させ、今ではリーグ屈指のオールラウンド・ビッグマンへと成長。今季は11試合で平均22.3得点、8.3リバウンド、4.5アシストを記録しつつ、1試合平均5.2本の試投数から37.3%の確率でスリーを沈めている。

▼ルーキーシーズン(左)と2017-18(右)のショットマップ比較

グリフィン ヒートマップ比較

グリフィンが年々オフェンステリトリーを外へ外へと広げていった理由は、ディアンドレ・ジョーダンと上手く共存するためなのはもちろんだが、同時に「ダンカー以上の選手であることを証明したい」という気持ちも強かったそうだ。

「僕はコンプリートな選手になりたかった。でも注目されるのはダンクばかり。それによって、僕の他のスキルがかすんでしまっているように感じ始めた。だからダンクを少し控えるようにしたんだ。ダンクに対しては、愛憎の入り交じった感情を持っているよ」
– ブレイク・グリフィン

Basketball Referenceによると、デビューから最初の3シーズンのグリフィンは、FGアテンプトの2割近くがダンクだったが、今季を含む直近3シーズンでは約7%にまで落ち、反対に16フィート以上のロングツーとスリーポイントショットが大幅に増えた。とはいえ、パワーダンカーのグリフィンが完全に消滅したわけではなく、今季も10月24日のジャズ戦ではルディ・ゴベールの上からまるで3~4年前のような豪快なポスタライズダンクを叩き込んでいる。

また、今オフにクリッパーズと5年/1億7500万ドルの再契約を結び、球団の絶対的フランチャイズプレイヤーとなったグリフィンは、リーダーシップの面でも一皮むけようとしている。チームメイトのオースティン・リバースによると、クリス・ポールがチームを去って以来、グリフィンは以前よりも「親しみやすい」存在になったという。

「ブレイクとクリスの関係はどこか奇妙だった。理由はわからないが、とにかく違和感があったんだ。どっちがリーダーなのか誰にもわからない。誰かが何か意見すれば、必ず口論になってしまう。ブレイクに意見するのを怖がっていた選手もいたと思う。どんなリアクションが返ってくるのかわからなかったからね。だけど今のブレイクは別人のようだよ。前よりも親しみやすくなった。僕たちが彼をちゃんと受け入れるようになったからだと思う。今では誰もがブレイク・グリフィンをリーダーだと認めている」
– オースティン・リバース

今季クリッパーズは開幕4連勝の好スタートを切るも、ミロシュ・テオドシッチやダニーロ・ガリナリ、パトリック・ビバリーら主力選手の負傷離脱を受け、その後の8試合で1勝7敗と大失速している。ここからどのように立て直してくるかに注目したい。

参考記事:「SI」

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